350万年前の“死なない”バクテリア「バシラスF」を注射した科学者→不老不死になった?=ロシア

「(投与前よりも)長時間働けるほど丈夫になり、過去2年間はインフルエンザにも感染していないのです」(ブロチコフ博士)

 ところが、である。博士は、なぜ「バシラスF」が動植物の生命力を向上させるのか、現在もそのメカニズムを解明できずにいるというのだ。この点について彼は、「もしかしたら副作用があるのかもしれない」としながらも、次のように語っている。

「このような実験は、確かに医師の管理下で行われるべきかもしれません」
「でもそんなことを言いだしたら、アスピリンが効く仕組みだって本当はよくわかっていないのです」
「それと同じことです。メカニズムは不明だが、その効果は確認できる」


■不老不死の実現に向け、研究は続く

 とはいえ、ブロチコフ博士はメカニズムの追求を決して放棄したわけではない。永久凍土で350万年も生き続ける「バシラスF」の強靭な生命力を解き明かすことが、人間の長寿、そして不老不死の実現へとつながると信じ、研究を続けることを宣言している。

「このバクテリアは、氷の中で外部の世界から隔絶されてきました。死なないバクテリアとはすなわち、彼らは自分自身を守ることができるということです。私たちの細胞は、自分自身をダメージから守ることができません。年を取ることから細胞を守る、その仕組みを明らかにしたい」(ブロチコフ博士)

 ちなみに、今回の「バシラスF」によく似たバクテリアが、マンモスの脳からも発見されているという。また、石油の分子を分解し、水に変える能力を持つバクテリアの存在まで確認されているのだとか。いずれにしてもシベリアの永久凍土では、不老不死の夢に限らず私たちのあらゆる願いをかなえてくれる古代のバクテリアたちが、目覚めの時を待っているのかもしれない。果たして、ブロチコフ博士は「バシラスF」の摂取によって永遠の命を手に入れることに成功したのだろうか? 研究のさらなる進展と、何よりも博士自身の今後が気になるところだ。
(編集部)

参考:「The Siberian Times」、「The Daily Mail」、ほか

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