【テロ特集】内ゲバで使われる武器が鉄パイプや工業用バールなのはなぜ?
「鉄パイプや工業用バールが用いられた背景には、法的な対策もあげられるでしょう。抗争で拳銃や、刃物などを使えば、銃刀法違反はもちろん、凶器準備集合罪・凶器準備結集罪に問われてしまう。学生運動が激化する中、デモに用いられた角材が凶器として認定されたことがあります。苦しい言い訳ですが、捕まった時に、凶器ではないと主張でき、もっとも致命傷を与えられるものが、鉄パイプや工業用バールであったのです。さらに、内ゲバの襲撃は頭を狙って行われます。命が助かったとしても、一生残る障害をおってしまう可能性も高い。残忍さを極めた手段と言えます」(新左翼に詳しいジャーナリスト)
内ゲバ事件は近年においても発生している。1990年代末から2000年代にかけては、新左翼党派のひとつである革労協(解放派)において内部分裂が起こり、内ゲバ事件が頻発した。その際、武器に使われたものは、小型の出刃包丁や、くり小刀であった。なぜ、武器は小型化したのだろうか。
「刃物は大きい方が見た目のインパクトがありますが、実は殺傷能力は小さい方が高いのです。家庭用の包丁で相手を刺した場合、肋骨が邪魔をして致命傷には至りません。小刀で深く刺す方が、心臓へ到達する可能性が高く、危険なのです」(前出・同)
新左翼党派の内ゲバは、お互いの顔や素性を知る者同士の間で起こる。そのため、情報戦の側面も持つ。潜伏先、立ち回り先、自宅、職場などを特定し、あらゆる場所で襲撃が行われた。革労協の内ゲバは、ラッシュ時の駅構内や、路上など一般人も無関係とはいえない場所で発生している。
現在は新左翼党派自体の勢力が弱まりつつある。そのため、凄惨な内ゲバ事件は見られなくなりつつある。
(文=平田宏利)
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