宇宙人へのメッセージを積んだ惑星探査機たちは今どこにいる?
広い宇宙空間のどこかに存在するであろう知的生命体へ向けたメッセージを積み込み、長い旅に出ている惑星探査機がパイオニア10号、11号、ボイジャー1号、2号の4機だ。これらは、太陽系を離脱し、それぞれが異なる方向へ歩みを進めている。
パイオニア計画は、1958年からアメリカ航空宇宙局(NASA)によって進められた惑星探査計画だ。1972~73年に打ち上げられたパイオアニア10号、11号は木星、土星の探査を目的としていた。その後、それぞれが太陽系の果てにある冥王星軌道に達し、太陽系を離脱後、11号は1995年に、10号は03年に通信が途絶した。このパイオニア両機には、地球外知的生命体、いわゆる宇宙人に向けてのメッセージを書き込んだ金属の板が搭載されている。
板には、太陽系の各惑星の紹介のほか、宇宙空間における太陽系の位置、さらに裸の男女の人間の姿が描かれている。ただし、人間の姿が白人に限定されていることや、裸であることに批判が生じたため、続くボイジャー計画では見直しが行われた。
そして、1977年に打ち上げられたボイジャー1号、2号も惑星探査を目的とするものだが、最終的な目的には宇宙人とのコンタクトが設定されている。
ボイジャーは、パイオニアよりも機能が向上している。探査機の搭載カメラは角度調整が可能であり、さらに、太陽光が届かない空間を進むことを想定し、原子力電池を搭載し、遠距離の通信を可能にするため巨大なパラポラアンテナも設置された。1987年に冥王星軌道を通過したのち、太陽系の外を進んでいる。
このボイジャーには、パイオニアの板以上の詳細な地球の情報が記録されたゴールデンレコードが搭載されている。レコードには、地球上の気象現象などの自然音、伝統音楽の音源、日本語を含む55の言語によるあいさつなどが収録され、この音源はNASAのサイトなどで聴くことができる。
驚くべきことに、ボイジャー両機は現在も運用中で、通信が行われており、現在位置もNASAのサイトにおいて、リアルタイムで更新されている。
ボイジャー1号は現在、地球から約200億キロ、2号は約165億キロの地点にいる。地球から月までの距離は約40万キロ、冥王星までの距離が約50億キロであるから、途方もない場所に到達していることがわかる。地球からの交信電波がボイジャーに到達する時間はおよそ15時間だ。
それでも太陽系にもっとも近い独立銀河であるアンドロメダまでの距離は約250万光年である。光年は光が進む距離であり、1年で約10兆キロである。パイオニア、ボイジャーが進むべき道はまだまだ長い。
(文=平田宏利)
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