サウジアラビアの砂漠に氷の川が出現!?

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 温暖化と聞いてまず頭に思い浮かぶのは、しぶきをあげて崩壊する寒冷地の巨大な氷河だろう。流出が止まらない氷河の保全は、今を生きる人類にのしかかる重大な課題である。

 米航空宇宙局(NASA)の研究によれば、今後100年から200年をかけ、海水面は最大3メートル増加することが懸念されている。これにより、オランダやデンマーク、オセアニアの島々やモルディブといった標高の低い地域は、海没の危機に瀕している。

 しかし、温暖化の余波は寒冷地以外にも、思いもつかない地域に、思いもつかない形で到達しているようだ。今回は海外メディアが注目する世にも珍しい映像を通じて、砂漠を襲う気候変動の現状を紹介したい。


■砂漠を流れる氷の川

 国土の大半を砂漠が占めるサウジアラビア王国には、雨が降ることは滅多にない。半月状の砂丘が幾重にも連なり、岩と低木が彩る荒野をラクダが歩むサウジアラビアの風景は、我々日本人がイメージする“砂漠”そのものだ。

 ところが今年10月27日、急激な嵐の訪れによって、その風景は一変することになった。空から降り注いだのは、大きな氷の塊り――ゴルフボールほどの雹(ひょう)だった。激しく音を立てて落下する雹は次第にその数を増やし、砂地の切れ目になだれ込んでいった。

 やがて姿を表したのは、濁流となって大地を横切る氷の川である。動画では、固体のまま流れをつくる氷の粒を、男性がすくい取っている様子がうかがえる。

■保水力ゼロ 恵みの雨とはならず

サウジアラビアの砂漠に氷の川が出現!?の画像1Disclose.tv」より

 氷の川と表現すると、いささか不可思議でロマンチックな印象もわくが、現地の人々に対しては深刻な影響を与えているようだ。

 地元の気象学者によれば、今回の雹を降らせた嵐はわずか2日のうちに、8年分の雨量に匹敵する降水をもたらしたと見込まれている。この雹を含んだ8年分の大雨により、10月末の時点において地域全体で19人、サウジアラビアでは6人が命を落としている。

 気候区分のうち“乾燥帯”に属する砂漠には植物が根を張らず、地中に水分を吸収し蓄えておくための保水力がほとんどない。そのため、いざ豪雨に見舞われてしまうと、水は地表の上をすべってゆくような状態になり、簡単に洪水が発生してしまうのだ。

 また、砂漠には“ワジ”というへっこみがある。ワジの正体は、水流のない干上がった川であり、雨水はワジの上に集中することで鉄砲水となり、人や家畜を飲み込んでしまう(動画に収められた氷の川も、このワジをなぞることで発生したものだろう)。砂漠に住む人々にとっては、雨は待ち望まれるよりも、むしろ、大災害をまねく悩みの種と化しているのである。

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