■タトゥーを彫った賃金で親のいない子どもに教育
マイクとボブは音楽活動だけではなく、『タリンバビ』という共同生活の場を運営し、無職のパンクスやストリートチルドレンに楽器や版画など日々の助けになるためのクリエイティブなことを教え、その共同体の運営を版画やマイクの絵画の販売、タトゥーアーティストでもあるボブのタトゥーを彫った賃金などで賄っているという。
「設立した当初から、『タリンバビ』のコンセプトは変わっていない。親のいない子供を含む、無職のパンクスを無償で受け入れ、生活の場を提供する。そこは『助け合い、分かち合い、お互いから学ぶこと』をモットーに、音楽やアート、ものづくりを体験する空間として解放されていた。
『だれでも出入り自由』というオープンな姿勢が、毎日たくさんの訪問者を呼び寄せている。国中からパンクスが訪れる。家を追われた家族が居候することもあるし、近所の子供たちの遊び場にもなっていた」(Roadsiders’ Weekly『私のジャカルタ・パンク』/取材・文=中西あゆみ より抜粋)
MARJINALというバンドは、地元イスラム・ムスリムのモスクに招かれ演奏もしている。宗教色の強い国家であるインドネシアで、モヒカン・タトゥーという出で立ちのパンクバンドが、イスラム・ムスリムの神聖な礼拝堂であるモスクで演奏をするなどとても考えられないことだが、彼等は招かれ演奏をしている。
また、刑務所にも招聘され演奏をしており、受刑者にも多くのMARJINALファンがいて、受刑者との交流もしているようだ。