■死んでもいいから闘争する
この映画を観ることにより感じるものをみんなで共有できるのならば、マイクが言うように全ての人が平等に自由を選択できる世の中になるだろう。
彼等が来日した際に話していても様々なところで彼等の人間性があふれていて、彼等と共有している時間は、一生忘れることのできない素晴らしいひとときだ。
すばらしく心が広く、すべての事柄をそこにいる人間たちとシェアし、他者をリスペクトし続ける精神に感動する。
そしてステージでも彼等の気持ちは痛いほど観客に伝わり、自然と身体が動き拳を振り上げ合唱してしまう。ライブを観て感動で涙が出て来ることを体験できるというのは、生きていて良かったと本当に心から思える瞬間だ。
日本ではパンクをファッションとして捉えている人間が多い。
しかし日本でもパンクをファッションとしてではなく、社会に対する不満や憤りを音楽や生き方で表す人間も少なくない。
そうした人間たちは、一般的には受け入れられないようなファッションに身を包み、モヒカンやスパイキーヘアー(全ての髪の毛を立てているPUNK独特の髪型)にして不満や憤りを表現する。
モヒカンは、インディアンの戦士の髪型で、「死んでもいいから闘争する」という意味を持っている。スパイキーヘアーは、「怒髪天をつく」の意味と同じく、怒りで髪の毛が逆立っているのを表現している。
そういった意味でモヒカンやスパイキーにしている人間も存在するので、これを機に知っておくといいだろう。
彼等は真剣に生き様としてその髪型にしているので、知らない人間が面白半分に「触らせて」などと言うのは失礼に当たることを理解してほしい。
そして、ファッションとして捉えている人間たちも、音楽ジャンルのひとつとして捉えている人間でも、パンクというものを知っているならば、是非MARJINALを体験することを薦める。
残念ながら映画の次回上映は未定だが、MARJINALのCDとMAJIKのCDは発売されているので、是非聞いて欲しい。メロディアスでハードなサウンドは人の心を鷲掴みにし、そのサウンドに乗せられた歌詞は、前述した作品以外でも感動することは間違いないだろう。
MARJINALの歌を聞き、映画を観て、ライブを体験すれば自分自身の答えがきっと見つかるはずだ。
彼等の持つ魂に触れたときに、必ずその人間の心に変化が起こるだろう。それがより多くに人間に伝わって行けば、世の中は自然に変わるのではないだろうか。人はそれぞれ皆違う。その違いを祝おう。
BHINEKA TUNGGAI.IKA 「多様である それでも一つ」
僕らは自由な子どもの心を持っているから
全ての民族の自由な精神を
制限がない 国境がない 差別がない
僕らは自由な子どもの心を持っているから
黒 白 茶 黄 グレーの猿
あなたが誰であれ
この自然の目にはみんな同じに映っている
多様である それでも一つ
異なってはいるけど僕らは一つ
異なっている その通り それこそが僕たちなんだ
友よ 確信しよう
一人では決して前に進めないことを
一歩ずつ目標に向かって
敵意なく この違いを祝おう
争うことなく 友愛を味わおう
僕らは自由な子どもだから
全ての民族の子どもだから
国境がなく 差別がない
僕らはみんな自由なのだから
僕は自由なスピリットだ
何も所有してないが豊かな心は持っている
この世は平等で公平に
みんなに属するものだから
僕は太陽を持ち運んでいる
そしてそれをみんなで分ける
パンを分けるのと同じように
みんながもらえるんだ ヘイ!
みんなで一緒にハッピーになろう
あなたがどんな色で 誰であっても
この自然の目にはみんな同じに映っている
MAJIK – MARJINAL AKUSTIK アルバム【FREE SPIRITS OF ALL NATION】より
MAJIK – MARJINAL AKUSTIK
【FREE SPIRITS OF ALL NATION】
■MARJINAL、MAJIK作品 『microAction』
MARJINAL
【SEJAJAR】
※タイトル名:SEJAJARとは、インドネシア語で、平等な、イコールであること、という意味があり、「人間、動物、木、地球など全てのものがSEJAJAR」であり、「マージナルは、全ての曲でこのことを歌っている」
MA/CD-7 2000円(+tax)
商品ページ:http://microaction.jp/onlineshop/000217/
MAJIK – MARJINAL AKUSTIK
【FREE SPIRITS OF ALL NATION】
MA/CD-10 2500円(+tax)
商品ページ:http://microaction.jp/onlineshop/000366/
■取材・文=ISHIYA
JAPANESE HARD CORE PUNKバンド FORWARDのボーカルでありフリーライター。ライター
「REAL SOUND」「INDIES INFO 連載コラム」「PUNK ROCK ISSUE BOLLOCKS 連載コラム」「SUUMOジャーナル」「土木建築系総合カルチャーマガジン「BLUES’ MAGAZINE」」で執筆中。
※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。