■傷ついたインドネシア人の心に刻まれる歌
MARJINALは2004年に起きたスマトラ沖地震での救済活動もしており、被害のあった地域にいち早く支援物資を持って駆けつけた。2010年にジャワ島中部にあるメラピ山が噴火したときには、ショッピングモールを練り歩きみんなで演奏しながら義援金集めなどもしている。
スマトラ島沖地震で最大犠牲者数を出したインドネシア・アチェ州海岸部は、甚大な被害を受け州都は壊滅状態となった。当時、震災犠牲者の鎮静歌として作曲された「ルカ・キタ」、は「共に立ち上がろう、助け合おう、相手の心の痛みを自分の痛みとして受け止めよう」という気持ちを込めて作った。そのスピリットは受け継がれ、バリ島の連続爆弾テロ犠牲者を始め、災害や戦争などにより傷ついた多くの犠牲者を偲び、歌い継がれている。
ルカ・キタ 「わたしたちの傷(苦悩)」
涙あふれるこの地で災害がおこった
数十万人が先に逝った
この傷は 新たな結束の心に火を灯し
燃えたぎり 一つの光となった
妹たち あなたは名前以上のものを残した
お兄さん あなたは数百万の目的を残した
お姉さん あなたは全世界を目覚めさせた
わたしたちが人生の最も深い意味を理解するために
我々みんなが姉妹であり兄弟であること
彼らの傷はわたしたちみんなの傷だということ
示そう そのことを示さなければ
この苦悩はわたしたちみんなの苦悩だということを
妹や弟は 我々に努めを残して逝ってしまった
涙はやがて宝石の海に変わる
より大きな災害は 人をより賢明にする
そのことを実現しなければ
天国で彼らが笑顔になれるように
MARJINAL2014年日本盤アルバム『SEJAJAR』より