1gあたり約190億円! 世界一高価な物質、一体何に使われる?

■GPSの精度が1ミリ単位まで正確に!

 超高精度の時計である原子時計の小型化によってどのような結果を期待できるのか、実はGPS精度の大幅な向上が見込めるのだ。

 GPSは、GPS衛星に搭載された原子時計の時刻データや衛星の軌道情報を電波で受信し、利用端末の位置を特定するという技術だが、衛星の原子時計がいくら正確でも、端末側の時計が正確に時を刻んでいなければ、その位置をきちんと知ることはできない。電波の速さは1秒間に地球を7周半してしまうくらい速いため、たとえ100万分の1秒のズレでも、300mの誤差が生じてしまうのだ。

 現在主流のクォーツ時計は、10日程度で1秒ほどズレてしまうが、原子時計は1万年に1秒の精度である。そのため、原子時計を端末に搭載できれば、様々な試行錯誤によって誤差を2mにまで小さくしたGPSの精度を、1mm単位まで正確にすることができるというのだ。

 GPS精度の大幅な向上が社会に与えるインパクトは大きそうだが、その中でもキリヤコス教授が期待を寄せるのが車の自動運転の発展だ。

 「現在のGPS誤差基準では、実際に事故が起きそうな場面では全く役に立たない、車が衝突しそうだというときに2mの誤差があったら意味が無いでしょ、でも1ミリなら十分」

 価格がこの上なく高いのはまだ大量生産ができていないからであるが、この素材の価格が落ち着く頃には、街を自動運転の車が行き交っているのかもしれない。

参考リンク:「odditycentral」、「Telegraph」、ほか

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