ビッグバンより古い星「メトシェラ」が存在することが判明! 物理学者「思考不可能なものを考える時が来た」
宇宙の始まりとされるビッグバン。今から138億年前のこの出来事により万物は生まれたとされる。
しかし、先日トカナでもお伝えしたが、ダークマター(暗黒物質)はビッグバンよりも前に存在したかもしれないことが最新研究で判明しているように、ビッグバンの定説が徐々に切り崩されようしている。
なんとこの度、ビッグバン以前から存在する星があることが明らかになったのだ。
科学ニュース「Mysterious Universe」(8月8日付)によると、地球から200光年離れた位置にある恒星「HD 140283」、通称:メトシェラ星がビッグバンよりも高齢であることが再確認されたというのだ。王立天文学会の物理学者ロバート・マシュー氏はこう語っている。
「いくつかの結果は、宇宙は最も古い星よりも若いことが示されています」
宇宙の年齢は、一般相対性理論に基づいて計算されている。それが約138億年だ。この結果は物理学の中心的な理論である相対性理論から導きだされたものであるため、物理学会で長く受け入れられてきた。
しかし、2013年にペンシルバニア州立大学のハワード・ボンド教授らが、ハッブル望遠鏡を使ってメトシェラ星の年齢を計測したところ、145億年(±8億年)だということが判明したのだ。
メトシェラ星は地球から比較的近いため、その計測結果は信頼できるという。では、この星は宇宙よりも先に存在しているということだろうか?
問題は宇宙の年齢の方にあるかもしれない。宇宙の年齢の計測にはハッブル定数が使われる。あらゆる銀河は距離に比例した速度で遠ざかっており、その比例定数がハッブル定数である。だが、2017年に2つの衝突する天体を使って行った計測では、ハッブル定数が噛み合わず、定説とは異なる宇宙の年齢が導きだされたという。
だが、メトシェラ星は鉄の含有量が少なく、鉄が宇宙でありふれた物質になる以前に形成されたとも考えられている。それは宇宙誕生よりも前なのか?
現在のところ、全ての矛盾を解決してくれる決定的な仮説はない。この状況についてマシュー氏は「思考不可能なものを思考する時が来たのかもしれない」と語っている。
ビッグバンが全ての始まりなら、それを思考することも本来ならば不可能な思考だろう。だが、物理学はそれを思考しなければならない状況に直面しつつあるようだ。一体どんな理論や仮説が飛び出してくるのだろうか? 今後の研究にますます期待したい。
参考:「Mysterious Universe」、ほか
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2024.10.02 20:00心霊ビッグバンより古い星「メトシェラ」が存在することが判明! 物理学者「思考不可能なものを考える時が来た」のページです。物理学、ビッグバン、天文学、メトシェラ星などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで