「ダークマターはビッグバン以前から存在していた」物理学者が新説提唱! 謎の中の謎…暗黒物質と宇宙の常識が覆る!

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 全宇宙の物質の80%を占めると言われているダークマター(暗黒物質)。その正体についてはまだまだ分かっていないことが多い、その出自についてもこれまでの常識が覆される新説が飛び出した。

 科学ニュース「EurekaAlert」(8月7日付)によると、米・ジョンズ・ホプキンズ大学の研究で、ダークマターはビッグバンよりも前に存在していた可能性が浮上したというのだ。

・「Dark matter may be older than the big bang, study suggests」(EurekaAlert)

 今までダークマターはビッグバンとともに生まれ、銀河や銀河団の形成において重要な役割を果たしていると考えられてきた。いわば、ダークマターはビッグバンの残滓なのだ。しかし、ジョンズ・ホプキンズ大学の物理学者のトミ・テンカネン氏は、「ダークマターが本当にビッグバンの残り物だとすれば、科学者はその存在を示す直接的なサインを見つけられたはずです」と、その説に異を唱えている。

 そこで、テンカネン氏は最新の数学モデルを使ってダークマターの出自を追跡した。すると、ビッグバンよりも前の「宇宙のインフレーション」と呼ばれる瞬間に生まれた可能性が出てきたという

「ダークマターは一体何なのか我々はまだ知りません。しかし、もしダークマターがスカラー粒子と何らかの関係があるのならば、ダークマターはビッグバンよりも老齢です」(テンカネン氏)

 一般的に、宇宙のインフレーションはビッグバン直後の10-36秒後から10-34秒後までの間に起こったとされるが、ビッグバン以前を宇宙のインフレーションだとする科学者もいる。テンカネン氏もその立場を取っているようだ。この場合、ビッグバンは宇宙のインフレーションが終わった瞬間からだとされる。

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 素人から見てみれば、いっそのこと「宇宙のインフレーションもビッグバンに含めてしまえば良いのではないか?」という気もするが、物理学では宇宙のインフレーションは旧来のビッグバン理論の難点を解決する重要なフェイズだと考えられている。

 テンカネン氏によると、今回の研究により宇宙の物質の配置に及ぼしたダークマターの影響を観測することで、ダークマターの出自をより深く探る道が拓かれたという。具体的には、2022年に打ち上げが予定されている宇宙望遠鏡「Euclid」の観測データからビッグバン以前の様子をのぞき込むことが可能になるとのことだ。遂に謎多きダークマターの本性が明らかになるかもしれない。今後の研究に期待しよう。

参考:「EurekaAlert」、ほか

編集部

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