な、なんだってーーー! トンデモ漫画だった『MMR』に科学的にまっとうな点が多数発見される
『MMR』には“この物語は事実を元にしたフィクションです”という断り書きがある。第5巻からは“内容に関する問い合わせは電話では一切受けつけておりません。ご了承ください”と追記もなされている。
上記のエピソードで事実を抜き出すとすれば、「月の引力が海の満引きなど地球環境に影響をおよぼしている」「異常気象が増えたように見える」「少年犯罪がよく起きている。世知辛い世の中になった」「不規則な生活をしている漫画編集者が眠いと言った」といったものだろう。たたみかけるように危機を煽ってゆくストーリー展開もさることながら、作画者である石垣ゆうきの劇画タッチの絵もリアリティを加速させる。小学生が見たらトラウマ必至の絵柄だ。
きわめつけは最終巻となる第13巻である。前述の通り、この巻は毎週連載が行われ、ノストラダムスの大予言に記された1999年7月へ向けてカウントダウンが行われる。コンピューターの暴走が危惧されたY2K問題や、太陽黒点活動の極大期、惑星直列(グランドクロス)の発生など、さまざまな“情況証拠”をもとに、1999年8月11日が危険日だと煽る。同時に謎の組織に活動を妨害され、秦の始皇帝が用いたといわれる民衆を支配する性格遺伝子を求めて中国へ渡る直前に、MMRは解散に至る。
1999年の連載終了後、MMRは2008年、2012~13年にかけて復活し、電子書籍として刊行された。今後も新刊が登場する予定だ。MMR以上にパラノイアックな言説がネット上にあふれる今、この作品はどう読まれるのだろうか。
(王城つぐ/メディア文化史研究)
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