惑星ニビルから来た宇宙人の頭骨か? ロシアで発見されたナチス時代の3つの謎のアイテム
■75年前のマッチが使用可能? 驚異の保存状態
ここで、前述の遺物について再び目を向けてみよう。森の中で発見されたブリーフケースと指輪は紛れもなく、アディゲ共和国の領内をかぎまわっていた親衛隊にまつわるものである。
くたびれた皮の持ち手が付属したブリーフケースには、剣をあしらったエンブレムのようなものと、角ばったルーン文字が確認できる。これはアーリア人の優秀性を知らしめるため、親衛隊の指導者であったハインリヒ・ヒムラーが設置した、秘密結社めいた研究機関「アーネンエルベ」が用いたものだ。
指輪についても、1939、1941との年号がはっきりと確認でき、穿った見方をしない限りは、当時のものとして扱うことができるはずだ。
ただし、発見の経緯について考えるなら、少しミステリアスな部分があることを否定できない。ブリーフケースと指輪の所有者である女性は、森の中の小屋に住んでいるというのだが、誰も正確な場所がわからないという。行方不明の彼女に会うことができない海外メディアの記者は、「彼女はどのようにして森の中の秘密の隠し場所を発見できたのだろう?」という疑問を払拭することができなかった。
また、遺物の保存状態が極めて良好な点についても不思議が残る。ブリーフケースに同梱されたマッチは、今日でも使用することができるほどである。この点について記者は、遺物の所有者である女性が「森の中で“特別な”場所を発見したに違いない」と推理している。
■頭蓋も顎もない頭骨…ふくらむ憶測
では、残る2つの頭骨はどうだろう。
2年前、ボリショイタク山の洞窟で、洞窟探検を行っていたグループが発見したと主張する頭骨は、民族誌学者であるウラジミール・メリコフ氏の元へ届けられた。探検家たちは当初、動物の化石だろうと考えていたようだ。メリコフ氏は頭骨について、詳細に分析を行った。
「頭の下部にある、太い指ほど大きさのある、丸い穴を見てください」メリコフ氏は頭骨の一点に指を当てて続けた。
「ここが背骨の付け根です。そして、位置関係から、この生物が二本足で移動していたことが示されています。また奇妙なのは、頭蓋と顎が備わっていないことです。口には、いくつかの穴が円形に分布しています。眼窩は非常に大きく、それぞれ別の形状に成長した角をもっています。さりながら、顔面の骨はヒト科の動物のように平坦なのです」(ウラジミール・メリコフ氏)
探検家たちから見ても、発見した頭骨は異常なものだった。側に並べられた熊の骨と比較しても、それは明らかであった。
風変わりな頭骨は憶測を呼ぶ――。ある神話学者は、その名前が「天から来た」と翻訳される、角を持ったシュメール神話の神である“アヌンナキ”ではないかと指摘した。
アメリカの作家、故ゼカリア・シッチンによれば、コーカサスに住むアゼルバイジャン人の起源は、太陽系に存在すると仮定されている惑星ニビルにいる宇宙人であるという。そうして、その宇宙人の正体こそ、シュメール神話に登場するアヌンナキなのだ。
もっとも2つの頭骨が、本当に宇宙人の、またコーカサスに住む人々の遠い祖先のものであるという確証はない。とはいえ、これらの頭骨が特別なアーティファクト・コレクターであるアドルフ・ヒトラーの手に渡っていたに違いないというのが、研究者たちの共通した見解である。
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