【閲覧注意】読んだら死ぬ? イルミナティの頂点を極めた女が語る「秘密結社の真実」

 魔女である筆者は、これまでも秘密結社の真実について可能な範囲で読者に伝えようと注力してきた。それはすべて、いま世界で起きているさまざまな事件の背景を、“表向きの真実”に惑わされることなく、より深く理解するための力になりたいという思いからにほかならない。そして、ついに秘密結社の代表格である「フリーメイソン」と、その極秘最高組織である「イルミナティ」がひた隠す、衝撃の事実に踏み込む時がやって来た。

 今回は、イルミナティとフリーメイソンの元構成員であり、「夜の妖精」と呼ばれる高位にあったシスター・マリ・エメリー(本名:クロチルド・ベルソン)という女性が、1928年にパリで出版した『悪魔に愛された女』(成甲書房)という自伝を紹介しよう。


■組織の頂点に上り詰めた女が暴露する秘密結社

 1857年、クロチルドはイタリア貴族の家に生まれた。才色兼備に育った彼女は、17歳で数カ国語をマスター。将来を嘱望された女性だったが、イルミナティとフリーメイソンの構成員だった父の謀略により、1874年12月にイスタンブールで無理矢理ロッジ(組織)に入会することに。やがてクロチルドは女性としてイルミナティとフリーメイソンの頂点を極めるが、表向きは結社に従いながらも、いつの日かその秘密を世間に暴露し、復讐することを誓うようになったとされる。

 彼女の自伝である『悪魔に愛された女』には、イルミナティとフリーメイソンが国際政治の舞台で暗躍していたこと、邪魔になった各国要人を暗殺していたこと、さらには組織の頂点に「獣」がいることなどが次々と暴露されている(この「獣」という表現には、『ヨハネの黙示録』に出現する「666の印を持つ獣」が含意されているものと思われる)。

 そして本書でクロチルドは、イルミナティとフリーメメイソンの秘密を外部に漏らした者は「獣」によって処刑される、と述べている。従って、読者の身の安全のためにも、本書に書かれている内容をここで微に入り細に入り明かすことはできない。しかし、彼らの恐ろしさだけでもご理解いただけるよう、以下に秘密を漏らしてしまったある女性が処刑されるシーンを紹介しよう。

「ついに、彼女が大会議で裁かれるときがきた。

(中略)

七つの球が、彼女に有罪を宣告した。だが、判決がくだる直前に、獣自らが現れて処刑を行なったのだ。

その出現は輝く閃光に始まり、大きな雷鳴がそれに続いた。悲しい葬送曲が流れるなか、獣は哀れな犠牲者に飛びかかった。獣は女をわしづかみにすると、一方の力強い前足で宙に投げ飛ばした。女は戦慄の叫びとともに床に落ちた。獣の邪眼を見まいとしたが、獣はふたたびつかみかかり、鋭い爪で女を倒した。

まもなく、この美しい女性は血だらけのただの肉塊に成り果てた。衣類は引き裂かれ、抜けた毛髪が散乱した。獣が彼女のはだけた胸を一撃するや、口から血が吹き出た。最後に、獣はどとめを刺した。女を壁に叩きつけ、身体は見分けがつかぬほど変形した。獣は、それでも飽き足らずに女の髪をつかみ、ホール中に死体を引きずった。それから、死肉に跨がり、鋭い角を何度も刺して切り刻んだ。この惨劇がまる一日続いたのだ。」 (『悪魔に愛された女』、203頁目)


 なんと、まるで恐ろしいホラー映画のワンシーンが浮かぶようではないか――! 現実は小説よりも奇なり、ということなのだろうか。なお、クロチルド自身もイルミナティ内部で裏切りの疑惑を持たれ立場が危うくなり、組織から決死の覚悟で逃亡の末、教会に保護されたという。そして後年、この自伝を著したとのことだ。

 たしかに、本書が「ただのオカルト小説ではないか?」との指摘もある。しかし、本書は20世紀のヨーロッパ社会を騒然とさせ、事態を重く見たナチスによって発禁・焚書処分となった“いわくつき”の1冊である。ただのオカルト小説であるならば、催眠術や占星術、神秘主義などに傾倒していたヒトラーが発禁処分にするだろうか? 陰謀論者の中には、ナチスがイルミナティやフリーメイソンの支配下にある組織だったと囁く者もいるが、彼らにとって不利な情報が含まれているからこそ、発禁・焚書処分を受けたのではないだろうか? 真相は不明であるが、さらに真相へと迫りたい読者は、意を決してから本書を手にとってみるのもよいだろう。

ポーランドの魔女とアイヌのシャーマンの血をひき、魔女占い師・魔女優・オカルトライター・ホラー映画プロデューサーとして国内外で活動。深月事務所代表。『世界の予言2.0 陰謀論を超えていけ キリストの再臨は人工知能とともに』(明窓出版)大好評発売中!
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