『地球の歩き方』が迷走中? 詐欺の目印になるとの指摘も

『地球の歩き方』が迷走中? 詐欺の目印になるとの指摘もの画像1※イメージ画像:『D11 地球の歩き方「台北」2016~2017』(ダイヤモンド・ビッグ社)

 海外旅行ガイドブックのベストセラーシリーズである『地球の歩き方』(ダイヤモンド・ビッグ社)が、マルハニチロとコラボしたレトルト食品「地球の歩き方 旅の食卓」を発売することがわかった。

 ラインナップは、「スウェーデン:空飛ぶヤコブさん」「ハンガリー:グーラッシュ」「ガボンアフリカ:チキンムアンバ」の3種類。ヤコブさんは鶏肉とバナナ、ナッツなどで煮込んだホワイトシチュー。グーラッシュは、肉や野菜を赤ワインとトマトペーストで煮込んだ赤味のシチュー。チキンムアンバはトマトと鶏肉の煮込み料理だ。それぞれの商品パッケージは本家『地球の歩き方』を模したこだわりのデザインとなっている。

 だが、税込540円という決して安くはない価格と、食を謳うには少々マイナーな国名、料理のチョイスに戸惑う者も多い。ネット上では「マニアックすぎる」「『地球の歩き方』迷走中」といった声も聞こえる。実際、『地球の歩き方』は、ベテラン旅行者には「地球の迷い方」と揶揄されることもある。バックパッカー歴15年の、ナオキ氏(30代・仮名)に話を聞いた。

「『地球の歩き方』は、ビギナー向けには最適なガイドブックですが、いろいろと批判があります。人気の旅行先は、2年に1度、更新版が発売されていますが、それでも、店やホテルが閉まっていたり、料金が異なっていたり、果ては地図の記述そのものが間違っていたりしています。コアな旅行者からは評判が悪いですね」(ナオキ氏)

『地球の歩き方』はズシリと重い。ほとんどの内容がレストラン、ホテル、商店、マッサージ店などの紹介だ。できるだけ荷物の重量を減らしたいバックパッカーにはすこぶる評判が悪い。本当に必要な情報は、冒頭の国情報、地図、主要な観光地情報、巻末の現地語の会話用例集くらいだ。そのため「必要箇所だけのコピーで十分」という声もあるほどだ。

「例えば、英語圏でもっとも需要のあるガイドブックである『ロンリープラネット』は、広告出稿などを受け付けず、客観的な記述がなされています。『地球の歩き方』も、当初は個人旅行者からの情報を集めて作られていましたが、今はほとんどが広告の束といっても過言ではないでしょう」(前出・同)

 さらに『地球の歩き方』の黄色い表紙は、海外でも知れ渡っている。現地の詐欺師は、脇に「お守り」をぶらさげたバックパックを背負って、この本を手に持ちキョロキョロしている旅行者をカモと見なし、声をかけるという話もあるほどだ。

「なにかと毛嫌いされがちな『地球の歩き方』ですが、治安情報は慎重すぎるくらいに記されていますし、主要な観光地などもコンパクトに紹介されています。現地で数日しか猶予のない忙しい旅行者にとってはベターなガイドブックであることは確かです。しかし、この本に頼りっぱなしなのも考えものですね」(前出・同)

 これからのシーズン、卒業旅行で海外へ出かけるという若者も多いだろう。だが、いつの日か『地球の歩き方』の“支配からの卒業”が必要となるのは確かなようだ。
(文=平田宏利)

関連キーワード:,

※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。

人気連載

現実と夢が交差するレストラン…叔父が最期に託したメッセージと不思議な夢

現実と夢が交差するレストラン…叔父が最期に託したメッセージと不思議な夢

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.11.14 23:00心霊
彼女は“それ”を叱ってしまった… 黒髪が招く悲劇『呪われた卒業式の予行演習』

彼女は“それ”を叱ってしまった… 黒髪が招く悲劇『呪われた卒業式の予行演習』

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.10.30 23:00心霊
深夜の国道に立つ異様な『白い花嫁』タクシー運転手が語る“最恐”怪談

深夜の国道に立つ異様な『白い花嫁』タクシー運転手が語る“最恐”怪談

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.10.16 20:00心霊
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.10.02 20:00心霊

『地球の歩き方』が迷走中? 詐欺の目印になるとの指摘ものページです。などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで