【古代エジプト】親指切断、喉切られ… 最後のファラオ・ラムセス3世暗殺事件の全貌がミイラで判明!
考古学者のみならず、世界中の人々の心を惹きつけて止まない古代エジプトの世界。ピラミッドや黄金のマスクなど、数千年を経た現代の科学技術をもってしても未だに理解することができない数多のミステリーが残されたままになっている。しかし、人類が新たな科学技術を手にするに従い、それらの謎も少しずつ解き明かされつつあるようだ。今回は、古代エジプトの王(ファラオ)が巻き込まれた、とある暗殺事件の詳細についてお伝えしよう。
■謎に満ちた“包帯ぐるぐる巻き”のミイラ
古代エジプト文明がもっとも栄えた「エジプト新王国」期、強大な権力を誇る最後のファラオとして君臨したのが今回の主役、ラムセス3世(即位:紀元前1186~1155年)だ。そんな彼のミイラは、1881年に「王家の谷」のもっとも大きな墓で発見され、現在はエジプト考古学博物館に保管されている。
発見当初から、ラムセス3世のミイラには考古学者たちを悩ませるいくつかの特徴があったという。ミイラの首周りが包帯で厳重に巻かれており、胴体部分は複数の層からなる樹脂で固められていたが、身体に異変が見られないのだ。パピルス(植物を原料とする紙状のもの)には、ラムセス3世が暗殺されたことを示す記述が残されているものの、致命傷が見当たらない。そのため、暗殺説の真偽は長らく不明のまま放置されてきた。
ところが2012年、ラムセス3世のミイラがCT(コンピュータ断層撮影)にかけられたことにより状況が一変する。なんと、幾重にも巻かれた包帯の下で、彼の喉元は鋭利な刃物によって切り裂かれており、これが致命傷となって命を落としたことがわかったのだ。そして今回、最先端の科学調査によって、暗殺時の様子までもが判明したという。
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