世界初「古代テュルク人」の墓とミイラが完璧な保存状態で出土! 謎多きトルコ人の祖先がついに正体解明へ?
この世界は、古代からさまざまな文明が栄えては滅ぶという重層的な歴史の上に成立している。現代を生きる私たちが知り得ぬ、いまだ名前すら定まらない文明の痕跡も数多く残されているのだ。その古代の謎を地道に、しかし着実に解き明かしてきたのが考古学者たちである。
そして、ロシアの地方紙「シベリアン・タイムズ」が今月9日に報じたところによると、考古学界でまたひとつ重要な発見がなされたようだ。世界初、「古代テュルク人」の墓が完全なる状態で発見されたという話題をお届けしよう。
■謎に包まれたトルコ人の祖先、古代テュルク人
古代テュルク人とは、紀元前6世紀ごろに中央アジアからシベリアにかけて出現した民族だ。中国の殷と周の時代、“シルクロードの途中で出会う民族”として「狄(てき)」などの名で文献に登場するのが最古の記録である。彼らは独自の言語と文字を持ち、オオカミと青色をシンボルにしていたことが判明しているが、現代に伝わる資料が極端に少ないことから、その生活や文化の多くは謎に包まれたままである。
その名のとおり古代テュルク人は、現在アジアとヨーロッパの境で暮らすトルコ人たちの直接の祖先と考えられており、そのことは出土した遺体のDNA分析などで証明されている。ところが、(状態は悪いながらも)これまでに発掘された墓の埋葬品などから、古代テュルク人の文化が現代のトルコ人と大きく異なっている可能性が浮上していた。
そしてついに、この古代テュルク人の墓がほぼ完璧な保存状態で見つかり、なんとそこにミイラまでもが含まれていたという。そう、これまで秘密のベールに包まれていた古代テュルク人の暮らしが、解明される可能性がぐっと高まってきたのだ。
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