“ブス”にはやっぱり“ブス”がいた ― 全国に点在する「スナック ブス」を訪ねて

「都内のブス」に続いて訪れたこの「茨城県のブス」は、何を隠そう、かねてより筆者も気にはなっていた店だ。しかし、すでに廃業してしまっている様子で、その外見からして全力で「廃」な雰囲気。道路沿いに掲げられた看板はすでに傾き、結果として「傾いたブス」となってしまっている。

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 また、店舗入口上部に掲げられたテントに「ブス」と思しきイラストも描かれていたり、「ブス」の存在をまるで誇示するかのように、矢印つきの看板まで設置されている。このような状態となった今、本当にこの店の中にブスがいるのか、また、今はいないにせよ、かつてはいたのかすらも、確認しようがないのが実情である。だが、そうした状況に筆者が半ば落胆にも似た感情を抱いていると、ひとりの男性が歩いてくるのを目撃。そこで早速、明らかに堅気ではないであろうその熟年男性に、話を聞いてみた。

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 すると、驚くことにその男性は、かつてこの「ブス」が隆盛を誇っていた時代に、店の常連客として足しげく通っていたのだという。となれば、「ブス専か?」という疑惑が頭をよぎるのだが、それはともかく、彼の話によると、この店のママさんはかなり歳をとってはいるものの「正真正銘のブス」。彼が話の中で何度も「ブス」であることを強調することからも、相当なレベルであることが窺い知れる。つまり、「ブス」を名乗るスナックに「本当のブス」がいたことを、はからずも彼の証言により、この茨城の地でようやく確認することができたのだ。

 なお、そんな「スナック ブス」のママにして、「正真正銘のブス」である彼女は、店を閉めた今も、時折、この界隈の店に顔を出すことがあるという。願わくは、一度、そのご尊顔を拝見したいものである。
(写真・文=Ian McEntire)

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