「妖精の顔」で生まれる奇病 ― ワールデンブルグ症候群

 世の中には色々と珍しい病気が存在するが、読者の方々は、「ワーデンブルグ症候群」という病気をご存じだろうか? ワールデンブルグ症候群は難聴、神経堤由来細胞の小さな欠陥、そして染色体異常を特徴とする遺伝子疾患による症候群である。

「妖精の顔」で生まれる奇病 ― ワールデンブルグ症候群の画像1「My Face: Waardenburg Syndrome」 画像は「YouTube」より

 主な症状は、
●左右の虹彩の色が異なる
●部分的白髪
●鼻の付け根が太く、目が離れた顔貌
●額が低くつながった眉
●皮膚の部分的白化
 である。

■先天性難聴の2~5%がワールデンブルグ症候群

 ワールデンブルグ症候群は4万人に1人の割合で起こり、先天性難聴の2~5%がこの病気によるものであると言う。そして通常、優性遺伝で、父母どちらかがこの遺伝子を持っていると症状が引き起こされる。ほとんどの場合は遺伝であるが、家族にワールデンブルグ症候群の患者がいなくても遺伝子の突然変異によって発症することもある。現在、この病気には治療法は存在しない。

 ワールデンブルグ症候群は人間にだけ起こる病気ではなく、フェレットにも多い事で知られている。この病気を持ったフェレットは頭が白いか、小さな白い縞があり、正常な個体よりもいくぶんか頭が平たくなる。聴覚に問題があることが多いが、通常のフェレットと異なる姿をエキゾチックだと考える人も多い。そのため、ペットショップでは多くのワーデンブルグ症候群のフェレットが売られており、それらのフェレットの75%が難聴であるらしい。


■ネットに登場するワールデンブルグ症候群の人々

 彼女はワールデンブルグ症候群独特の顔貌により「エイリアン」などと揶揄され、子ども時代はずいぶんひどい言葉を投げつけられたと話す。また片方の聴力が無いので、教室などの広い場所では音が聞き取りにくく苦労したと語る。しかし大きくなるにつれて、この症状を自分の個性と考え、顔に上手にメイクを施すことで自信がついたと言う。

 ステッフさんは動画を発信する事により、彼女の理解者やファンも増えて「妖精」や「X-MEN」みたいでかっこいいというコメントを多く受け取っているという。ステッフさんの一族には多くのワーデンブルグ症候群患者がおり、皆そっくりの顔をしているらしい。しかし一族以外の患者はネット上でしか見たことがなかった。そこで彼女は動画によって、同じ病気を持つ若い人たちを励まし、人にはそれぞれの個性がある事を発信したいと話す。

 ワーデンブルグ症候群、そして自己同一性障害と二重のハンディを持ちながらも病気を個性ととらえ、ポジティブに生きるステッフさんは素晴らしい。彼女の動画を見て励まされる人は、きっと多いはずだ。
(文=三橋ココ)

参考:「U.S. National Library of Medicine」、「Wikipedia」ほか

「妖精の顔」で生まれる奇病 ― ワールデンブルグ症候群のページです。などの最新ニュースは知的好奇心を刺激するニュースを配信するTOCANAで