空飛ぶ魔法の絨毯のメカニズムとは? 反重力技術の調査研究でわかったこと
古代の伝承のように、今となっては詳細が分からないケースにおいては、時として話は誇張され、事実と反することもあり得るだろう。信憑性の疑わしい事例を取捨選択していかないことには、共通した法則性を見つけ出すことはできない。
インターネットが一般に普及するようになって20年ほどとなる。最初の10年近くは、インターネットを通じたイタズラや犯罪は少なく、利用者も道理をわきまえていた。だが、今や個人がイタズラでウソの情報を発信するだけでなく、情報機関が組織的に偽情報をばら撒き、ネットユーザーの反応を探ろうとするケースも増えている。特に、未知の存在から予言的・霊的なメッセージを受信するチャネリング情報においてはそれが顕著に現れている。そのため、ネットによる情報収集には慎重を期す必要がある。
そんなこともあり、筆者はできるだけ記事の執筆者と連絡を取るようにしている。信憑性を確認する目的もあるが、将来的に自分が何らかの形でその記事の内容を紹介する場合には、許可を得ることも求められるからである。
そこで、いつものように筆者はこの情報をもたらしたアビディ氏に連絡を取ってみた。すると、記事の内容を自由に掲載して構わない旨、快い回答を得たのだが、記されたことはすべてフィクションであり、何一つ正しいことはないのだと洩らしたのだった。つまり、意図は不明だが、アビディ氏は大変な時間と労力をかけて緻密な作り話を完成させていたのである。
職業柄、筆者はこのようなやり取りを通じて情報の取捨選択を行ってきているが、必ずしもそんなフィルターがいつも巧く機能するとは限らない。また、同業者が筆者と同様のスタンスで情報の確認を行う訳でもない。事実、現在でも海外の代替科学の情報サイトでは、アビディ氏がもたらした情報がまったくの作り話であることに触れられておらず、人々に誤解を与え続けている可能性がある。
執筆者が取材においてどれだけ慎重になっているのか、読者には見えない部分であるが、思考力を柔軟に駆使し、判断を下すことなく情報をただ受け止める姿勢も求められるだろう。科学ではまだ解明されていない現象から我々は多々学ぶべきことがある一方で、インターネット上では数多くの偽情報が氾濫する。初めから疑ってかかれば、創造力は阻害されるため、やりにくい時代になったと言えるのかもしれない。
■水守 啓(ケイ・ミズモリ)
「自然との同調」を手掛かりに神秘現象の解明に取り組むナチュラリスト、サイエンスライター、リバース・スピーチ分析家。 現在、千葉県房総半島の里山で自然と触れ合う中、研究・執筆・講演活動等を行っている。
著書に『底なしの闇の[癌ビジネス]』(ヒカルランド)、『超不都合な科学的真実』、『超不都合な科学的真実 [長寿の謎/失われた古代文明]編』、『宇宙エネルギーがここに隠されていた』(徳間書店)、 『リバース・スピーチ』(学研パブリッシング)、『聖蛙の使者KEROMIとの対話』(明窓出版)などがある。
ホームページ: http://www.keimizumori.com/
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2024.10.02 20:00心霊空飛ぶ魔法の絨毯のメカニズムとは? 反重力技術の調査研究でわかったことのページです。ケイ・ミズモリ、空飛ぶ魔法の絨毯などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで