封印されたトンデモ映画!! あのヴァン・ダムも自社商品“ユニバG”に出演させた大神源太とは?
また、この『ブレイズ・オブ・ザ・サン』以前に製作された大神作品に『ユニバG物語』というものがある。これは1998年に発売された健康飲料「ユニバG」の販促用ビデオだが、ツッコミどころ満載のケッサクドキュメンタリー映画になっているのだ。ちなみに「ユニバG」とは、フィリピンを原産にするバナバ葉を成分としたミネラルをたっぷり含んだ健康茶で、その効用は商品チラシによると、「血糖が気になる方に! 便秘、肌荒れにお悩みの方に! ダイエットをお望みの方に!」だそうだ。現在もたまにヤフオクに出品されていたりするため、これに限っては商品としてちゃんと存在したようだ。しかし、現在では、賞味期限などの問題もあるため、あくまで好事家向けのトンデモアイテムとして見るべきだろう。
冒頭、「私がアジアを絶対に救う。これが私の国際貢献だ!」という大神源太自身によるナレーションが入り、『ロッキー』のテーマに酷似したヒロイックな音楽が流れ始める。大神源太がフィリピンの僻村に到着すると、「わ~っ」と駆け寄る現地の子供たち。みな目が澄んでおり、見ていると心がイタくなる…。
大神源太はユニバGの製造に必要な「幻の天然バナバ葉」を探すため、人跡未到の密林に入っていく。そこで無意味に繰り返される腕立て伏せや枝での懸垂。さらに彼の目には、星飛雄馬(by『巨人の星』)のように炎が宿っている(合成処理)。
激流を渡る大神源太は、その水の勢いに足を取られて大袈裟に転倒。かなり危険な難所に思える。だが、そんな彼に続き、サンダル履きの現地ガイド、老人(誰?)、オバサン(だから誰?)たちは、「ほいほい」と、そこを楽勝で通過する。実は浅瀬のようだ……。
やがて幻の天然バナバ葉は、大神探検隊によって見事に発見される。そしてクライマックスは、友情出演のアクション俳優ジャン=クロード・ヴァン・ダム(『プレデター』『キックボクサー』など)による商品紹介で締める。スゴイ!
『ブレイズ・オブ・ザ・サン』
2001年製作・2002年公開予定(未公開)
監督/トト・ナティヴィダッド、大神源太
脚本・主演/大神源太
■天野ミチヒロ
1960年東京出身。UMA(未確認生物)研究家。キングギドラやガラモンなどをこよなく愛す昭和怪獣マニア。趣味は、怪獣フィギュアと絶滅映像作品の収集。総合格闘技道場「ファイト ネス」所属。著書に『放送禁止映像大全』(文春文庫)、『未確認生物学!』(メディアファクトリー)、『本当にいる世界の未知生物 (UMA)案内』(笠倉出版)など。新刊に、『蘇る封印映像』(宝島社)がある。
ウェブ連載・「幻の映画を観た! 怪獣怪人大集合」
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2024.10.02 20:00心霊封印されたトンデモ映画!! あのヴァン・ダムも自社商品“ユニバG”に出演させた大神源太とは?のページです。ブレイズ・オブ・ザ・サン、ユニバG、大神源太などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで