地球に6度目の大絶滅がくる? “5次元宇宙”提唱者リサ・ランドール博士が警告! 宇宙人問題にも言及(インタビュー)
■ダークマターは観測できる?
――新著のテーマとなっている、ダークマターについてお聞きします。宇宙に存在する物質のうちほとんどを占め、質量を持つにもかかわらず見えないというダークマターとは、どのように形成されるのでしょうか?
ランドール ダークマターであれ、ダークマター反物質であれ、その形成メカニズムは大きな謎とされています。まだ、その答えが見つからないのです。おそらく、膨張する宇宙の端で物質のようなものが形成されているかと思いますが、実際にどんな種類の物質が存在し、そこで相互反応をするかはわかっていません。このテーマに関しては、活発に研究が行われています。
――では、ダークマターを検出するうえでもっとも効率の良い方法は、どのようなものだとお考えでしょうか?
ランドール それはダークマターの特質にもよりますね。私がこの本の中で述べたダークマターのようであれば、主要となる構成要素がダークマターディスク(銀河系の円盤の中で共存する、ダークマターで構成される円盤)に降着していくはずです。その場合には、星の位置と速さから位置を特定できます。そして、ダークマターがわずかに相互作用した際に放出されたエネルギーを検出できるだけの大きさの測定器があれば、観測できるのかもしれません。ですから、そこに何があるかを予測可能にし、追及していくためにもモデル構築が重要なのです。
■博士の宇宙観、地球外生命について
――では、博士の宇宙観についてお聞きします。自然法則について、どのようなお考えをお持ちでしょうか? もともとあるものを、人間が見出したということなのでしょうか?
ランドール 私たちが目にしているのは一番根源的な部分ではなく、観測や知覚を通じた人間のスケールを基準にした自然です。ある意味では、自然に基づいたものであり、それは私たちの知覚できる範囲内のものでもあります。ただ、自然全体を把握するためには、まだパズルのピースが足りていないのだと思います。そのため、自然法則が人間にとって唯一のこととは思えません。
――137億年前よりさらに前の宇宙は、どのような世界が広がっていると思いますか?
ランドール 本の中でも触れていますが、それに関しては哲学の領域に入ってしまいますね。宇宙は永遠に続いているかもしれないし、別の宇宙が存在するかもしれない。しかし、実際に観測できない領域のため、今のところ検証する手段がありません。ですから、137億年より前というのは、まだわからないということです。想像の域で語ることは、科学ではありません。
――地球外生命体との遭遇は、人類にどのような変化を及ぼすでしょうか?
ランドール 地球外生命体を発見できれば、これは素晴らしいことですね(笑)。生命がどういうかたちで確認できるかにもよりますし、生命とは何かという定義にもよりますが。たしかに、多くの人々はこのことに興味関心を持っていますが、それがわかるのはずっと先のことだと思います。でも、生命がどういうものかわかるという意味では、とても面白いことだと思います。
地球外生命についてランドール博士が言及したところで、話は博士のアイデアの源泉、そしてオカルト現象に対する見解など、ますます突っ込んだ話へと展開するのだった――! インタビュー第2回へ続く!
(中田雄一郎/科学ライター)
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2024.10.02 20:00心霊地球に6度目の大絶滅がくる? “5次元宇宙”提唱者リサ・ランドール博士が警告! 宇宙人問題にも言及(インタビュー)のページです。ダークマター、恐竜、地球、絶滅、リサ・ランドール、中田雄一郎などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで