「ホテルで目覚めたら、そこは廃墟だった」丸山ゴンザレス・インタビュー

丸山ゴンザレスの『アジア「罰当たり」旅行・改訂版』出版を記念したインタビュー企画第3回目。ラストとなる今回は、この10年で大きく変わった国際情勢と、『クレイジージャーニー』が始まってから旅がどのように変わったか、そして丸山が遭遇した神秘体験(?)について伺った。
【第一回「あの夜が人生を大きく変えた」】
【第二回「アンコールワットに日本語の注意看板が立ったのは僕のせい」】
――今回出版された改訂版には、新エピソードが加筆されています。
丸山 最初に出版したときは、ネタが足りなかったので、アフリカ編を無理矢理入れたんです。それがずっと気になっていて、タイトルに合った内容にしようというのが改訂版を出した理由です。3分の1ほど書き下ろしました。また、既存の原稿に対してツッコミ的な注釈も追記しています。
――旅行者として気ままに旅をしていた前半では、期せずしてネタに出会っていますが、加筆した後半ではネタを探しにいくスタイルに変わりました。
丸山 旅人からジャーナリストにスタンスが変わったのが大きいですね。以前は、見るもの聞くものすべてが新鮮でした。けれどもそのうちに、興味あるものを直接触りにいった方が、時間もお金も節約できるなと思いはじめたんです。旅の時間軸も大きく変わりました。以前は終わりを決めない旅を楽しんでいましたが、今は期間内にどれだけのことをして戻ってくるかが重要になりましたね。
――この10年でさまざまな変化があったと思いますが、国際情勢でいえばイスラム国のようなイスラム過激派の台頭が大きいかと思います。旅をしていて感じた変化はありますか。
丸山 飛行機に乗るときに荷物検査の手順が増えましたし、面倒臭い手続きが増えましたよね。あとは、「自己責任」という言葉の重さが増しているなと思います。僕は行っていませんが、イラク戦争末期には近隣国からイラクに入れる「戦場ツアー」が流行っていて、参加した日本人もいたそうです。その1人がKさん(日本人旅行者として2004年にアルカイダに殺害された)だったといわれています。昔だったら、戦場に行くとか、危険な場所に行ってみたっていうのは、冒険潭や武勇伝で済ませられるところがあった。ところが、今は一歩間違えば被害者になったとしても批判の対象になってしまう。そのあたりのリスクは僕自身も承知しているので、もう罰当たりなことは受け入れてもらえない世の中なのかなと思いますね。
――丸山さんご自身は、危機に直面したことはありますか。
丸山 実際に遭遇したなかでは、テロを想起させる文言を書いた紙が飛行機のトイレに残されていたという事件がありました。そのせいで、イスタンブール発成田行きが途中で引き返したんです。同時刻に出発したイスタンブール発の別の飛行機にも同様の紙が置いてあったと聞いて、「いたずらにしては手がこんでいるな」と思っていたんですね。その10カ月後くらいに、イスタンブール空港で本当に飛行機が爆破されました。初めは、爆弾を仕掛けたという紙が置いてあっただけなのに、数カ月後に同じ場所で本当に爆破が起きたんです。それ以来、不意に訪れるかもしれない危機を想像しながら旅をするようになりました。
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