「ホテルで目覚めたら、そこは廃墟だった」丸山ゴンザレス・インタビュー
――身の回りの変化でいえば、「クレイジージャーニー」が始まったことも大きいと思います。番組が介入することによって何が変わりましたか。
丸山 むしろ、それが一番大きいでしょう(笑)そこまで乗り気でスタートしたわけではなかったんですが、色々な場所に取材に行くための許可が取りやすくなりました。「なぜそんなところを調べたいんですか?」と聞かれたときに、「日本のテレビプログラムの企画です」と説明すると通りやすいんですね。実際には自分個人の取材だったとしても。ただし、許可を取ったことによって、「あいつは政府側の人間だ」という噂が広まって、住民が急に冷たくよそよそしくなるエリアもあります。そういう意味では善し悪しかなと思います。
――番組に出演して良かったことはありますか。
丸山 色々な旅人が出ていて、僕自身もあの番組からはいい刺激をもらっていますね。僕もそうですが、どの出演者も自分の興味が先にあって、見たい人はお好きにどうぞというスタンスです。視聴者を驚かせたいと思っているんじゃなくて、旅に出て一番驚きたいのは自分たちなんですね。もちろん僕自身もそうです。「なんでそんなところに行くの?」って聞かれても、「見たいから」としか言いようがない。興味のあることを見たいし、知りたいっていう欲求が突き動かしているだけなんですよ。
――最後にTOCANAならではの質問ですが、神秘体験をされたことはありますか?
丸山 遭遇してみたいとは思っていますが、残念ながらありません。本のなかでも、いわくつきの部屋に泊まったのに、僕だけが何も感じなかったというエピソードを書いています。ただし、騙し打ちされたことはありますね。泊まったホテルで目が覚めたら、廃墟だったことがありました。
――どういうことでしょうか?
丸山 宿代を前払いで支払って、エレベーターで部屋に上がったんですが、電気が壊れていて点かなかったんですね。でも、疲れていたから鞄を置いてそのまま寝ちゃったんです。翌朝起きて、シャワーを浴びようと思ったら水が出ないんですよ。文句を言おうと思ってシャワーから出て部屋を見渡したら……いくらなんでもボロすぎないか?と。チェックアウトするつもりで降りようとしたら、エレベーターが動かない。それで、階段で降りたら、他のフロアは全部廃墟でした。「こんなところに泊めやがって」とびっくりしましたね。結局、フロントに鍵を放り投げて出て行ったわけですが、あとから考えたら、それほど珍しいことでもないと思うんです。僕が建物に入った時に、たまたま管理のおじさんがいて、小銭を稼ごうと思って、管理人が寝泊まりしている部屋を貸してくれたんでしょう。その時は怒りが先にたちましたが、疲れていない状態で泊まったら怖かったんじゃないかと思います。翌週に見に行ったら、もう取り壊されて跡形もなくなっていました。
●丸山ゴンザレス
1977年、宮城県生まれ。考古学者崩れの犯罪ジャーナリスト・編集者。國學院大學大学院修了。無職、日雇い労働などからの出版社勤務を経て独立。現在は国内外の裏社会や危険地帯の取材を続ける。國學院大學学術資料センター共同研究員。著書に『アジア親日の履歴書』(辰巳出版)。筆名で、丸山佑介もあり著作として『図解 裏社会のカラクリ』(彩図社)、『悪の境界線』(文庫ぎんが堂)、『ブラック・マネジメント』(双葉社)、『闇社会犯罪 日本人vs外国人 ―悪い奴ほどグローバル』(さくら舎)などがある。人気番組「クレイジージャーニー」(TBSテレビ系)に危険地帯ジャーナリストとして出演中。
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