研究者が「3年以内に認知症を“治す”ワクチンが完成する予定」と回答! ボケの予防注射も実現へ?

 日本は世界一の高齢化社会であり、日本人の4人に1人が65歳以上だという。そして、この高齢化社会の大きな問題に認知症がある。日本の認知症患者数は2025年には700万人を突破し、65歳以上の5人に1人が認知症という事態が予測されるのだ!(2015年厚生労働省資料より)


■認知症とは?

「認知症」とは、簡潔にいうと「知能、記憶や見当識が後天的に低下した状態」を指す。「認知症」にはいくつかの種類があり、最も多いのはアルツハイマー型で認知症患者の半分を占め、その他にはレビー小体型(20%)、脳血管性(15%)などの種類がある。

 認知症の中で最も多いアルツハイマー型認知症は、脳にアミロイドベータやタウと呼ばれる特殊なタンパク質が蓄積し、その結果、正常な神経細胞が壊れて脳萎縮が起こることが原因と考えられている。

 また非常に興味深い調査として、「都市部が発展していて衛生状態がよい国では、そうでない国と比較するとアルツハイマー患者が多い」ことがわかっている。その理由として研究者は「清潔な国や都会の人間は土や動物を触る機会が減り、微生物との接触が少なくなる。その結果、免疫への刺激が失われ、免疫活性が弱まる。それがアルツハイマーの患者の脳で見られる炎症反応と強く関連する」と説明している。

研究者が「3年以内に認知症を治すワクチンが完成する予定」と回答! ボケの予防注射も実現へ?の画像1健康な脳(左)とアルツハイマー型認知症の脳(右) 画像は「Wikipedia」より

■認知症ワクチン

 オーストラリアも認知症患者の増加に頭を悩ませる国のひとつだ。オーストラリアの認知症患者数は35万人以上で、その多くがアルツハイマー型だ。治療法が見つからない限り、2050年までにオーストラリアの認知症患者数は90万人に達すると推測されている。

 そのオーストラリアでアルツハイマーの画期的な薬が開発された。開発者はフリンダース大学薬学部教授のニコライ・ペトロフスキー博士だ。教授は「オーストラリアン」紙のインタビューに答え、そのワクチンは後3年以内で完成する予定だと語った。

 今までにもアルツハイマーの進行を遅らせる薬は存在していた。しかし、このワクチンの素晴らしい点はアルツハイマーを発症前に防止、もしくはすでに進行した病状を改善することが可能な点だ。このワクチンは、脳でアミロイドベータとタウが蓄積してシナプスを詰まらせるのを防ぎ、かつ免疫システムが、すでに蓄積された物質を取り除く強力な抗体を作り出す手助けをするという。

 このワクチンの臨床試験が成功すれば、3~5年以内にはインフルエンザの予防注射のように、50歳以上の人に予防目的で投与ができるようになるという。

 教授は「これはインフルエンザの予防注射のようなもので、50歳になった人には誰にでも使える薬です。アルツハイマー予備軍の人も、このワクチンの注射を受けることで、それ以上の悪化を防げます」と話す。この臨床試験は、米国の分子医学研究所、そしてカリフォルニア大学アーバイン校アルツハイマー研究センターと連携し、今後数年間にわたって行われる予定だとも話した。


■その他の新薬

 他にもアルツハイマー病の薬は続々と開発されている。「アデュカヌマブ」という新薬は、米国の製薬企業・バイオジェンが開発した薬だ。この新薬は、健康な高齢者から採取した免疫細胞の遺伝子を用いて作られたバイオ医薬品で、月に1回注射するだけで、認知機能の改善が可能だという。

 病気に罹るのに公平も不公平もない。しかし60代で認知症に罹って日常生活ができなくなってしまった人もいれば、90代でも心身ともにかくしゃくとしている老人もいる。その違いは果たして何だろうと常日頃、不思議に思ってきた。

 アルツハイマーの怖い点は、発症の10年以上前から始まっている脳の異常に、症状が出るまで気付かず、症状が出てからでは治らないということである。しかし今後は脳のPET検査でタンパク質蓄積の有無を調べ、リスクのある人は薬で未然に発症を防ぐという「予防法」が可能になる日も近いようだ。アルツハイマーの予防注射ができたら、筆者も是非受けてみたいと思う。
(文=三橋ココ)

参考:「Daily Mail」、「UCI MIND」ほか

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