プーチン側近やルワンダ虐殺…陰謀的な“謎の死”を遂げた5人!
■ジュベナール・ハビャリマナ
中部アフリカに位置するルワンダの第3代大統領ジュベナール・ハビャリマナ。ジュベナールは、ルワンダと同国に面したブルンジに住む“3つの民族”の中で、最も大きい集団である“フツ族”出身の大統領。1994年4月6日、ジュベナールは、ブルンジのフツ系の大統領シプリアン・ンタリャミラとルワンダの首都キガリを目指す飛行機に乗っていたところ、何者かによって撃墜され死亡した。
犯人は未だにわかっていないのだが、当時反体制派で、“3つの民族”の集団のひとつ“ツチ族”が支配する“ルワンダ愛国戦線”(RPF)か、体制派のフツ族の中で、RPFとの交渉に反対していた過激派のどちらかが犯人だとする説が強い。
この暗殺事件をキッカケに、フツ過激派によって起こされたジェノサイド「ルワンダ虐殺」が起き、多くのツチとフツ穏健派が殺害された。その数は正確にはわかっていないものの50万~100万人(当時のルワンダ人口の10~20%)といわれている。
■フランソワ・ド・グロスーヴル
前述のジュベナールは、暗殺される2日前の4月4日、ザイール(現:コンゴ)に飛び、同国のモブツ大統領と会談し、6日にタンザニアのダルエスサラームに日帰りの予定で、タンザニア大統領主催の近隣国首脳会談に出席。そして同日の夕方に帰路の飛行機が攻撃に遭い死亡している。この翌日の4月7日に自殺した人物が、フランソワ・ド・グロスーヴルだ。
後に「ルワンダ虐殺」後の暫定政権で首相になったジャン・カンバンダは、モブツ大統領から「4月6日はダルエスサラームに行くな」といった警告を受けていたことを明かした。モブツ大統領によると、この警告と飛行機撃墜事件、フランソワの自殺には関連があるという。
2008年、ルワンダ政府から「ルワンダ虐殺」にフランスが積極的に加担したとする500ページに及ぶ報告書が発表された。その報告書では、フランス政府がジェノサイドへの準備が進んでいることを事前に察知し、計画に加担して虐殺を推進したと主張している。
また、虐殺に関わった人物として、当時の首相や外相だけでなく、大統領のフランソワ・ミッテランら13人の政治家と20人の軍幹部の名前を挙げた。そして、このフランソワ・ド・グロスーヴルは、フランソワ・ミッテラン大統領の側近なのである。
(文=山下史郎)
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