人工知能が作る最恐ホラー映画がヤバすぎる! 人間の“恐怖”を知り尽くしたAIが作るシナリオとは?
あらゆる分野で、コンピュータや人工知能(AI)が人間の仕事を奪っていく、などという話を最近よく見かけるが、人間のクリエイティブな想像力が最も発揮されていると思われる「創作」の分野にまでAIが入り込んできているという。
■AIが25歳以下の女性が最も恐がる映画を提案
イギリスの「Daily Mail」紙のレポートによれば、最恐のホラーフィルムを完成させるために人工知能のシナリオライターを導入した映画の製作が進行中であるとのことである。
グリーンライト・エッセンシャル社が現在政策中のホラー映画『Impossible Things』は、観客にとって“最恐度”の恐怖を描くためにAIをシナリオライターの一人として採用した最初の映画になるという。AIは、ホラー映画を見ている観客のデータ分析を行い、観客がどういうプロット(ストーリー構成)によって最も怖がり、どういうシチュエーションにおいて恐怖を感じるかを判断し、シナリオ修正しているということである。
この映画においては、観客に恐怖を与えるために幽霊と家族の関係を描くことの重要性を指摘してシナリオに追加したり、本編からバスタブのシーンやピアノのシーンといった象徴的なシーンを選び出し、自動的に予告編の作成まで行っているという。
また、想定される観客の性別・年齢などに応じて、どのポイントで恐怖を与えるかの解析を行い、最適なシーンを提案することも可能であるとのことである。さらには、最適なドンデン返しのシナリオまで提案することもできるという。ちなみに今回の『Impossible Things』では、25歳以下の女性をメインターゲットとして想定し、シナリオが構成されているとのこと。
■資金提供者にはさまざまな特典
この映画の制作を手がけるグリーンライト・エッセンシャル社の代表であるジャック・ザン氏は、現在85%を超える映画が劇場での観客動員による売り上げだけで黒字になることはなく、これは単に観客の本当に見たいと思う映画が作れていないだけと発言している。またAIは、観客のテイストに合わせてストーリーの前提条件や、分岐点などの構成から、シーンにおいてのセリフの単語ひとつまで最適なものを選択することを可能にしているとのことである。
しかし、このAIを利用した映画制作も順風満帆というわけではないらしい。すでに製作開始から5年になるが、AIのパテントに関する問題と、製作資金的に問題を抱えているという。そして現在、ウェブファンディングの大手のKickstaterにて資金調達を行っているとのことである。
もし、投資を検討している人がいればの話であるが、投資の成功報酬として、公開時のプレミアの際のチケットと、実際に撮影で使用された小道具がもらえるだけでなく、アソシエートプロデューサーとしてクレジットされ、世界最大の映画情報データベース「IMDb」にも名前を載せることができるという。興味がある方は、記念参加のつもりで投資してみるのもおもしろいかもしれない。
なんでもAIに仕事や仕事の一部が置き換えられていくような感覚もあり、こういった原稿執筆の仕事さえ、うかうかしていられない現実を突きつけられた感じもしないでもないが、このホラー映画については、実際公開が楽しみな一本であることは間違いない。
(文=高夏五道)
参考:「Daily Mail」ほか
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2024.10.02 20:00心霊人工知能が作る最恐ホラー映画がヤバすぎる! 人間の“恐怖”を知り尽くしたAIが作るシナリオとは?のページです。ホラー、ロボット、人工知能、高夏五道などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで