難病「プロジェリア症候群」による4歳なのに80歳の風貌! 差別と貧困に喘ぐリアル「ベンジャミン・バトン」の過酷な人生=バングラデシュ

■ダッカ医科大学病院が治療を申し出る

 父親のラブルさんは労働者として働くが、収入はわずか月に50ポンド(約6,600円)。そしてバヤジット君が生まれてから、すでに4,000ポンド(約53万円)を医者やヒーラーに費やしたものの、誰もバヤジット君を治せなかったという。ラブルさんは、「私たちは病院、寺、行者、シャーマン、とにかく勧められた人々を全員訪ねました。ところが彼の症状は変わらず、毎日どんどん悪くなっていくのです。自分の子が正常でなく、長生きできないと知るのはどんな親にとっても悲しいことです」と語る。

難病「プロジェリア症候群」による4歳なのに80歳の風貌! 差別と貧困に喘ぐリアル「ベンジャミン・バトン」の過酷な人生=バングラデシュの画像2Daily Mail」の記事より

 母親のトリプティさんも、「バヤジットはほかの子どもと異なり、まるで老人のようです。このような姿で生きる息子を見るのは辛すぎます」と涙ながらに話している。

 なお、バヤジット君を診察したマグラ中央病院のデバシス・ビシュワス医師から、彼は早老症と皮膚弛緩症で15年以上生きられない可能性が高いと告げられている。ビシュワス医師によると、バヤジット君は非常に難しい兆候を示しており、「私たちにできることは、彼が専門病院に行くことを勧めるだけです。ここでは治療ができません」とのことだ。

「息子に治療法はないかもしれない。しかし、少しでも生存の可能性があるのに、貧しいためにそのチャンスを逃すことを恐れています」というラブルさん。本当はバヤジット君に兄弟が欲しいが、躊躇している。「私たちはほかの親たち同様、子どもが健康で長生きしてほしいと願っています。しかしバヤジットには、奇跡でも起きない限り、無理な望みなのかもしれません」と、その言葉には諦めの心境が滲む。

 なお、8月9日付のABC Newsによれば、バヤジッド君の症状を知ったダッカ医科大学病院が治療を申し出たようだ。現在、彼は入院してさまざまな検査を受けているという。バヤジット君の症状が少しでも好転し、学校に通える日が来ることを願って止まない。
(文=三橋ココ)


参考:「Daily Mail」、「ABC News」、ほか

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