“クーデター御発言”だった「天皇陛下・お気持ち」、日本会議も大慌て! 増幅させてはならぬ“天皇の権力”問題【康芳夫がタブーに切り込む!】

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 日本会議メンバーを中心とする御退位反対派もすっかりあわてふためいているが、彼らも心底気合を入れなおして、事態に対応すべきだ。一歩間違うと国運を左右する大命題にほかならない。

 いうまでもないことだが、ここで極めて大事なことは、今上天皇あるいはその後継者に二度と今回のような直接の御発言をなさらないで済むようにしなければならないということだ。


■国民は違法行為をどう受け止めるべきか? 熟考せよ

 これは今上天皇に対し、大変失礼な直言になってしまうかもしれないが、明らかに今回の御発言は日本国憲法及び皇室典範その他法律に照らしても、違法行為とみられてしまうからだ。

 今回の御発言は国民の圧倒的支持を得たのでよかったが、もし天皇が安倍官邸が推し進めている憲法9条に関する一連の政治的動向に関し、何らかのご発言をされたとするなら、国民世論はたちまち大混乱をきたすことは必至である。

 今回の御発言に関するいわゆる有識者の反応は左右リベラル中道大体想像したとおりだが、週刊新潮(8/25)に掲載された民族派21世紀書院蜷川正大代表の「承詔必謹(※)」発言は、彼らしくユニークだった。このことは、我が友で真正のファシスト(?)である慶応大学教授福田和也君、一方今やリベラル左派の良識を代弁するオピニオンリーダーと化した元民族派で元一水会代表、鈴木邦夫君、ともども、よく話し合った覚えがあるが。

※「天皇の御言葉(命令)を頂く際には、常に例外なくかしこまった態度をとりなさい」と言う意味。要するに、天皇の命令を聞きなさいということ(聖徳太子の17条憲法第三条)

 言葉の本来の意味での「天皇の赤子である」とはどういうことなのか?

 いかなる場合といえども、承詔必謹ということになるのか。極端な話、万一、平成天皇が憲法9条に反対をにじませる御発言をした場合でも承詔必謹ということになるのか。

 本当に君に忠なるとすれば、天皇陛下に直言してこれを諌めるという行為はありえないのだろうか?

 一度近いうちに蜷川大兄にもお会いしてご意見を伺えればと念じている。

 貴兄の承詔必謹はにえたぎる熱湯を飲まされてじっと耐えているつらさがあふれ出ていた。貴兄が云う、君側の奸は一体誰なのか? それが宮内庁の下っ端役人だとは小生には到底思えない。

 最後に蛇足ながら、同じ週刊新潮に掲載された稀代のハードボイルド大作(殺)家(界)こと矢作俊彦大兄の御見解は例によってスベりがちではあったが、最後のしめくくり「歴史を前に進めようとしているのが国民ではなく天皇であることに不可解なものを感じてならない」はそれなりにスベり止めとしてきいていた。矢作大兄のご健闘を陰よりお祈りする次第である。
(文=康芳夫/『虚人と巨人』(辰巳出版)絶賛予約販売中)

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