視覚トリックで脳が騙される「絶対に同時には見えない12個の黒い点」
この画像の中に黒い点は合計いくつあるだろうか? 先入観を持たずにパッと見て答えていただきたい。
……4、5、6、……いや、8個か? 不思議なことに点を見つけようとすると、目に映っていた点が消えたり浮かんだりしないだろうか。実は正解は12個なのだが、不正解であってもご安心を。おそらくほとんどの人が正しく答えられない超難問なのである。
■特定のパターンでは視覚情報が処理できない
最近巷でちょっとした話題になっているこの視覚トリックの画像をまずFacebookで紹介したのは、知覚心理学が専門の立命館大学教授・北岡明佳博士だ。日本における錯視研究の第一人者でもある。またゲーム製作を手がけるウィル・カースレイク氏も同じ画像をTwitterに投稿して話題になっているようだ。
この視覚トリック画像のルーツは、フランスの生物学者で錯覚等の研究でも著名なジャック・ ニニオ博士の“ニニオの消失錯覚” と呼ばれるもの。ではなぜ我々は12個の点を一度に把握できないのだろうか?
目から入った情報は視神経を通って脳に送られ映像として認識されるが、実は格子状などの水平垂直、それに斜線を組み合わせた特定のパターンを見た場合、脳が視覚情報を正確に処理できないのだという。ニニオ博士いわく、「きらめく格子状の中にある白丸を黒色で縁取るように囲んだ場合、消えたように見える傾向がある。よって複数を一度に視野に捉えることは難しく、不規則に動くように見えてしまう」とのこと。
白丸が認識できない部分では周囲のグレーの線がつながっているように見えるが、実際には白丸があるためその線自体は存在していない。しかし、グレーの交差部分が目に飛び込んでくるように見えるため、人によっては黒い点がきらめいているようにも映るのである。
それは脳が、目にしていない黒い点がそこに存在するはずがないと認識してしまうからであり、この錯覚は全て、白黒が逆であっても同様に作用するという。
■目と脳は簡単にダマされる
画像を見た人からは、自分の網膜に映る視野が全てを正確に捉えていないことに驚く声が続出。
「何回も試したんだけど……やっぱり点を全部見つけられない!」
「頭痛がしてきた……」
戸惑った人がネット上でさまざまなコメントを残しているようだ。今回のような目の錯覚=錯視には、ものの大きさや傾きが変わって見えるもの(幾何学的錯視)、静止画が動いて見えるもの(動く錯視)、ないものが見えてくるもの(視覚的補完)等々さまざまな種類がありネットでも数多くの画像を検索することが可能だが、実際に見てみると自分の目(脳) が簡単に騙されていることに愕然とするだろう。
なんとも不思議で面白い錯視の世界、あなたはどこまで真実を見極められるだろうか?
(文=Maria Rosa.S)
参考:「BBC」、「TwistedSifter」ほか
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2024.10.02 20:00心霊視覚トリックで脳が騙される「絶対に同時には見えない12個の黒い点」のページです。目、錯視、脳、トリック、視覚、Maria Rosa.Sなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで