ウロコで全身を覆われた姉弟 ― 皮膚がひび割れ、剥がれ落ちる難病と徹底的差別の実態＝インド

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■多くの人に知ってほしい！ 魚鱗癬はどんな病気？

　魚鱗癬は、先天性5種から後天性1種まで大きく分けて6種類あり、軽度のものから重度なものまでさまざまな病状を持つ皮膚疾患である。人体を守る大切な役割を果たす皮膚が正常に機能しないことから、日常生活に大きな支障をもたらすのだ。では魚鱗癬の特徴についてお伝えしよう。

・ 重度の新生児の場合、皮膚にひっぱられた瞼や唇が反り返ることがある。
・ 唇や耳の形が変わってしまう。
・ 皮膚が乾燥し、ひび割れたり水泡ができる。
・ 手の指が硬直し、動かすことが困難になる。手足に麻痺が出る場合もある。

　この他にも魚鱗癬の種類と症状の重さによって違いはあるが、精神発達の遅延が見られたり臓器に異常が見られる症例もある。

　治療法に関してはワセリンや保湿剤を塗って皮膚を保護し、魚鱗癬に非常に効果を発揮するといわれる内服薬レチノイドを投与することもあるが、副作用が認められるために投与には注意が必要だとされている。

　魚鱗癬は劣勢遺伝子によって起きるという原因は解明されつつあるが、知名度も低いことから患者は奇異の目に晒され、休む間もなく体を熱や乾燥から守らなくてはならないという過酷な状況下での生活を強いられている。サイリさんとシドハーン君のように共に同じ難病に苦しみながらも姉と弟で支え合い、暮らしているといったケースは極めて稀だろう。彼らをはじめとする魚鱗癬患者のためにも治療法や副作用のない特効薬の開発が急がれる。

　周囲から理解されず、痛ましい幼少期を過ごしたであろうサイリさんとシドハーン君だが、いつか2人が笑顔の絶えない日々を送れるよう心から祈りたい。
（文＝清水ミロ）

参考：「Daily Mail」、「Mirror」、ほか

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