AIの創造性はすでに「人類の平均」を超えていた!? 10万人とのガチンコ比較で判明した真実。それでもAIが勝てない“本物の詩人”

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AIは人間よりもクリエイティブになれるのか?」――。この問いに対し、これまで人類史上最大規模となる「創造性実験」が行われ、その衝撃的な結果が発表された。

 モントリオール大学などの研究チームが10万人以上の人間と、GPT-4をはじめとするAIモデルを対象に、発想の「広がり」を測定するテストを実施したところ、驚くべき事実が判明したのだ。

 なんと、AIの平均的な創造性は、すでに一般的な人間のそれを上回っているというのである。

「意味の距離」で測るガチンコ勝負

 今回の実験で使われたのは、「拡散連想タスク(DAT)」という非常にシンプルなテストだ。ルールは簡単、「できるだけ意味が遠く離れた10個の単語を挙げる」というもの。

 例えば、「犬、猫、ペット」と答えると、それらは同じカテゴリー( Lexical Silo)に固まっているため、スコアは低くなる。一方で、「銀河、フォーク、自由、藻類、ハーモニカ……」といった具合に、無関係な言葉を並べることができれば、高いスコアが得られる。

 10万人の人間とAIを「意味のベクトル空間」という数学的な尺度で比較した結果、GPT-4の平均スコアは全人類の平均値をあっさり超えてしまった。私たちが「あーでもないこーでもない」と頭を捻っているブレインストーミングにおいて、AIはすでに「平均以上の知能」として君臨しているわけだ。

「顕微鏡」と「象」に憑りつかれたAI

 しかし、この結果は「AIが人間を超えた」ことを意味するわけではない。研究チームは、AIの思考回路に潜む「不気味な偏り」も同時に暴き出している。

 人間が10個の単語を選ぶ際、他人と答えが被ることは稀だが、AIには特定の「お気に入り」があることが分かった。なんとGPT-4は、どんなテーマであっても70%の確率で「顕微鏡(microscope)」を、60%の確率で「象(elephant)」を答えに含めていたのだ。さらに最新のモデルでは、90%以上の確率で「海(ocean)」という単語をねじ込んでくるという。

 これは、AIの創造性が「真の発想」ではなく、学習データに基づいた「確率的な手癖」に過ぎないことを物語っている。

「本物の詩人」はまだ安泰か

 実験は単語リストだけに留まらず、俳句や映画のあらすじ、短編小説の執筆にまで及んだ。ここで、AIの限界がより鮮明になった。

 AIはそれらしい文章を大量に吐き出すことはできる。しかし、バラバラのアイデアを一つの物語として編み上げる「意味の統合能力」においては、依然として人間が圧倒的なスコアを叩き出した。

 特に「俳句」のような極めて制約の強い詩的表現において、AIの性能を上げる設定(温度感の調整)を施しても、人間らしい「意図」や「趣」を再現することはできなかった。統計的な予測だけでは、5・7・5の短い行間に魂を込めることは不可能だったのである。

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AIは「踏み台」に過ぎない

 今回の研究結果が突きつけるのは、ある意味で残酷な現実だ。「大多数の人間は、AIよりも独創性に欠ける」という事実である。

 しかし、これは希望の光でもある。AIが「平均的な創造性」の底上げを担ってくれることで、人間はより高度な、機械には決して到達できない「本物のオリジナル」を追求する時間を手に入れられるからだ。

 一見すると職を奪われる脅威に思えるが、AIはあくまで「効率的な踏み台」に過ぎない。AIが「海」や「顕微鏡」を提案してきたとして、それをどう料理し、誰の心に届く物語にするかは、依然として私たちの手の中に委ねられている。

 AIが毎日「象」の話を勧めてくる不条理な未来を楽しみつつ、その隙間から生まれる人間にしか書けない「狂気」や「情熱」を今後も追い続けていきたいものだ。

参考:ZME Science、ほか

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