【警告】ネットはすでにAIに占領されている!? 大量生産される人工テキストと、それを見破る「防御AI」の泥沼

今やネット上のみならず仕事の現場や生活においてもAIが生成した文書や画像、映像が溢れかえる前代未聞の事態を迎えている。新たな状況に直面している我々にどんな心構えが求められているのだろうか――。
■氾濫する生成AIの“軍拡競争”
2023年、SF文芸誌『クラークズワールド(Clarkesworld)』は、AI(人工知能)によって生成された投稿作品が多すぎるという理由で、新規投稿の受付を停止した。同誌に限らずほかの文芸誌でも、AIによって生成された投稿作品が多数報告されている。
この現象は現代社会のいたる所で起こっており、新聞はAIが生成した投書で溢れかえり学術誌も同様だ。議会もAIが生成した有権者のコメントで満ち溢れており、世界中の裁判所にはAIが生成した提出書類が山と積まれている。ソーシャルメディアも生成AIの投稿で溢れており、音楽、オープンソースソフトウェア、教育、調査報道、そして採用の現場においても同じことが起こっている。
豪メディア「The Conversation」の記事によれば、これらはすべて“軍拡競争(arms race)”であり、共通の技術を相反する目的に適用するための、急速で敵対的な反復であるという。
この“軍拡競争”の多くは明らかに有害な影響を及ぼしている。
裁判所がAIによって捏造された軽薄な訴訟で溢れかえったり、AIによって書かれた文芸作品や学術論文が量産されたり、生成AIによる画像や映像がSNSを席巻すれば社会は混乱するばかりだ。
AIによって可能になった不正行為が、社会が依拠するシステムや制度を弱体化させるのではないかとの懸念は深まっており、生成AIのプラス面とマイナス面をよく理解することがこれまで以上に求められていると言える。
問題はAIが不正行為を容易にしてしまうことである。AIによる共有知財のシェアという恩恵と、不正行為を防止することのバランスを取る必要がある。
倫理ガイドラインと明確な専門的境界線は、善意で行動する人にとって指標になるが、AIツールの悪意ある利用を完全に阻止する方法は存在しない。そしてその結果は単純に、より多くのコメント、より多くのメール、より多くの応募書類、より多くの提出物が溢れかえることになる。

悪意あるAI活用を見抜けるAI(防御AI)の開発と導入はすでにはじまっているが、これもAI同士の“軍拡競争”であり、継続的な盾と矛の関係であるというしかない。
SF界は2023年からAIとの闘いを続けてきており、前出の『クラークスワールド』は最終的に人間が書いた物語とAIが書いた物語を適切に区別する方法があると主張し、作品の投稿を再開している。しかしそれが今後どれだけ長く、そしてどれだけうまく機能し続けるかは誰にも分からない。
今後も“軍拡競争”は続く。AIの潜在的な利益が、現在も将来も、その害悪を上回るかどうかを簡単に判断する方法はない。生成AI活用における安全性を維持するためには、継続的な監視と改善を地道に行っていくしかないとも言えるが、人間の活動が無意味ではない以上、社会構成員としての人間は変化し続けるテクノロジー環境の中でAIがもたらす害悪と利益のバランスに影響を与えることができるはずであるとの立脚点を常に確認したいものだ。
参考:「The Conversation」ほか
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