口をあんぐり開けた骸骨「カークジャ」の謎! アボリジニのブーメランが誇るズバ抜けた殺傷力と多彩な用途
2014年にオーストラリアの川岸で発見された、一体の不気味なこの遺骨。膝を抱えるように組み、手と口を大きく開けているそのさまは、壮絶な最期を意味するのだろうか、骨しかないにもかかわらず、まるで恐怖のあまり大声で叫んでいるかのようだ――。
■金属がない時代の遺骨に刻まれていた、長く深い傷痕
遺骨はオーストラリア先住民・古代アボリジニの種族の20代後半~30代前半の男性であったと推測されている。ニューサウスウェールズ州にある埋葬地で発見されており、13世紀頃に亡くなったらしい。ヨーロッパ人がオーストラリア大陸に押し寄せて、植民地化を進め始める19世紀から約600年ほど遡った時期ではないか、と「ナショナルジオグラフィック」は報じている。
発見したのは、アボリジニの人々からなる団体「Baakantji」のリーダー、ウィリアム・ベイツ氏。遺骨の男性をアボリジニの言葉で兄という意味の「カークジャ」と名付けた。
研究者たちを驚かせたのは、カークジャの死因となる致命傷を与えた武器である。頭蓋骨には、鋭い金属の刃物で斬りつけられたような長く深い傷痕があり、酷く損傷した状態であった。また、カークジャは頭蓋骨の傷だけでなく肋骨も数本折れており、上腕部の骨も粉々となっていた。だが金属製の武器はヨーロッパ人が持ち込んだといわれており、カークジャが生存していた時代にこの付近に金属が使われていた形跡はない。
最近の研究では、戦いの際に木製のブーメランや棍棒状の武器を用いていたことがわかってきていたが、研究者らは「伝統的なアボリジニ文化の産物である木製の武器が、はたしてこのような刀傷のように骨まで達する長く深い傷を負わせることが可能だったのだろうか?」という点に疑問を呈した。
そして調査の結果、十分に可能であることがわかったのである。研究チームによると、鋭い棍棒のような武器は“リルリル(Lil-lils)”として知られるもので、一方、かぎ状の戦闘用ブーメランは“ウォンナ(Wonna)”と呼ばれており、木製でありながらも極めて鋭利に作られたこれらの武器で、カークジャに傷を負わせた可能性が高いという。
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