口をあんぐり開けた骸骨「カークジャ」の謎! アボリジニのブーメランが誇るズバ抜けた殺傷力と多彩な用途
■優れた武器でもあったブーメラン
ともに致命傷となりうる刃部分の寸法があり、ブーメランは45センチほどの長さで、カークジャの顔に大きな損傷を与えたのではないかと推測しているようである。この時代のアボリジニ部族間のコミュニケーションや関係性については謎が多いのだが、死に直結するような致命傷を負わされている骸骨が発見されたことにより、部族間での壮絶な衝突や対立があったことを示唆しているとして関係者の注目を集めている。
また、カークジャが葬られていた埋葬地からほど近い場所では、盾や太い棍棒、ブーメランを持つアボリジニたちが岩に描かれた壁画も見つかっている。ブーメランは長年にわたって穴掘りから楽器までさまざまな用途に使われていたが、動物の解体にも重宝されていた点と、今回カークジャに致命傷を与えていた点、つまりは殺傷力のある武器として金属製品にも劣らない攻撃力をもっていたことだ。先述の部族間の関係性も含め、カークジャの遺骨は今後の研究に一石を投じるものとなりそうである。
現在では玩具やスポーツ的要素の強いイメージのあるブーメランであるが、実は元々アボリジニから発祥したものだ。サイズもさまざまなものがあったようだが、狩猟用に使用されていたものは当たると簡単に骨が折れてしまうほどの威力があったという。空中に大きな孤を描くその姿には優雅さを感じるブーメランだが、意外に思えるほど血生臭い(!?)起源があったということになる。
(文=Maria Rosa.S)
参考:「Daily Mail」、「IFL Science」、「National Geographic」、ほか
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