“新種”の炎「青い渦」が発見される! 効率的でクリーン、超画期的な応用方法と深刻な懸念とは!?

 炎は、人類史上最古の発明のひとつである。私たちの遠い祖先が、落雷の跡からくすぶる朽木を発見して、洞窟へ持ち帰って炉にくべたことが炎の利用の始まりであるという。以来、途方もない年月のあいだ、炎は人類の暮らしの中心にあり続け、貴重な光源・熱源として用いられてきた。

 しかし同時に、炎は重大な災害を引き起こし、人の安全を脅かすこともある。オーストラリア大陸や北アメリカ大陸で頻発する森林火災は、その最たる例のひとつだろう。


■山火事現場で発生する恐怖の“火災旋風”を研究

 森林火災の最中、消火活動にあたる消防士たちは、燃え盛る木々のそばで恐ろしい光景を目にすることがある。炎と煙が一体となり、激しく渦を巻いているのである。これは火災旋風と呼ばれるもので、大気の衝突や天候の状況によって生み出される竜巻とは全く別物だ。

 森林や周辺の市街地に大きな被害をもたらすこの火災旋風については、いまだ詳しい発生メカニズムは解明されていない。さりながら今年8月、この現象にヒントを得たという画期的な燃焼方法が、米メリーランド大学の研究者たちによって公表された。

 世界的権威のある学術雑誌『米国科学アカデミー紀要』によると、彼らが発見したのは、従来より効率的でクリーンな燃焼を行う新しいタイプの炎だ。炎は「青い渦(blue whirl)」と呼ばれており、その名前が示すとおり、炎は青一色で占められている。

新種の炎「青い渦」が発見される! 効率的でクリーン、超画期的な応用方法と深刻な懸念とは!?の画像1青い渦(blue whirl) 「Mysterious Uiverse」の記事より

 通常の炎に見る黄色は、不完全な燃焼により生じたすすの粒子によるものであり、純粋な青色は、供給される燃料の100パーセントが無駄なく燃えている証拠である。したがって研究の成果を応用することで、工業分野では公害の抑制が狙え、科学分野では流体力学の研究に新たなアプローチが加わるという。

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