「刀をもった瞬間、白目が消えて黒い目になった女性がいた」現代に生きるサムライ・阿部一刀斎師範インタビュー

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 日本で唯一行政に認められている抜刀道家、阿部一刀斎師範が山形市内に道場を構えたのは、昨年12月。インタビュー3回目となる今回は、現在のように自らの道場で抜刀術を教えることで、生計を立てるようになる以前のことや、流派を興した経緯、これからのビジョンなどについて語ってもらった。“現代の侍”の強烈な生き様と、貫き通した武士道とは……!?(第3回/全3回)

<第1回はコチラ→http://tocana.jp/2016/10/post_11261.html>
<第2回はコチラ→http://tocana.jp/2016/10/post_11179.html>

「刀をもった瞬間、白目が消えて黒い目になった女性がいた」現代に生きるサムライ・阿部一刀斎師範インタビューの画像1

――阿部さんが自らの流派を立ち上げた経緯についてうかがいたいと思います。道場を持つ以前は抜刀をしながらどのようなお仕事をされていたのでしょうか?

阿部一刀斎(以下、阿部) エロビデオ屋の店員をやったり、工事現場で働いたり、いろいろなことをしてました。30歳の時に離婚した後は何をやってもうまく行かず、ホームレスになって、スッポンを釣って売っていたこともあります。

――そういった時期もあったとは驚きですね。そして、スッポンは日本で釣れるんですね!?

阿部 山形にはいませんけど、南の方に行けば川にいて結構釣れるんですよ(笑)。お金がなくて食べられない時期に、料理人の友達に食べさせてもらったりもしました。ただ、どんなに苦しい状況になっても、刀だけは実家に置かせてもらって売りませんでした。私は、刀以外は本当にダメで、工事現場では全く使えなかったんです。抜刀術だけを志していたので、社会常識が全くなかったんですね。日本刀や中国の古典、侍の話といったことは現場の人に通じないわけですよ。それにやはり若い人の方が、物覚えがいいのでどんどん追い抜かれていきました。優しくしてくれる先輩がいたので、なんとか続けられましたが、あまりにも人生がつまらなくて、2014年頃には死のうと考えてたんです。

――そこまで思い詰めていたんですね。わずか2年前のことですが、状況が好転しだす転機のようなことがあったのですか?

阿部 私は絵が好きで、「けみ芥見」というニューヨークで個展を開くような画家の友人がいるんです。彼に「抜刀を本気で志しているなら、今の仕事を辞めて抜刀一本に絞った方がいい。俺が披露する場を用意するから、そこで披露しろよ」と勧められ、2014年の10月4日に六本木で演武したのですが、これが転機になりました。彼は、一流の会社の社長さんのような方々と知り合いで、そういった方々が私の演武や、武士道に関する講演を褒めてくれたんです。その時、自分はとても幸運だと気付き、考え方がガラッと変わって、「これは神的な力が働いている!」と確信しました。

――現在の阿部さんはとても神を大切にしておられますが、それ以前からそうだったというわけではないということですか!?

阿部 はい、それ以前は神を一切信じていませんでした。その時に、これまで私を支えてくれた友人や先輩は、神が私を守るために側に置いてくれていたのだと気付きました。そして、徐々に“素振り禅”が完成されていって、道場を開いたんです。

――苦しい状況でも、日本刀を手放さなかった阿部さんを、刀に宿る神が守ってくれていたということですね!? そして、阿部派一刀流が重んじている“素振り禅”は修羅場をくぐり抜け到達した新境地だったのですね。さて、続いての質問です。阿部さんは切れ味鋭い真剣を日々扱っておられますが、これまで最も命の危険を感じたのはどんな時ですか?

阿部 女性と子供の幽霊が出る軍刀の話をしましたが、実は過去にもう一振り軍刀を持っていて、ある刀剣ファンの若い女性が見たいというので持たせてあげました。すると軍刀を持った瞬間、目の白い部分が黒くなって目玉が真っ黒になり、水平斬りで私の胴に斬りかかってきたんです。運良く持っていた鞘で守り、彼女の手から刀を叩き落とすことができました。

――それは……。危険すぎますね。その女性は剣術をやっていたわけではないですよね!?

阿部 はい、剣術に関しては全くの素人でした。恐らく超一流の武芸者がその刀に憑いていて、彼女に乗りうつったんだと思います。私は恐ろしくなり、その軍刀を手放してしまったので、今もどこかに出回っているはずです。超一流と言いましたが、それほど見事な刀捌きで、それを参考に私の胴の斬り方も改善することができました。

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