ワシントン・ポスト紙「ヒラリーは虚偽ニュースサイトによって敗北。背後にはロシア」「ソ連時代の諜報活動がそのままネットに移行してる」

■大手メディアの崩壊の兆しか?

“ブラックリスト”に名前を連ねている暴露系オンラインジャーナルの「Disclose.tv」が、このワシントン・ポストの記事に反応している。もちろん同サイトはロシアと何のつながりもなく、記事の指摘は事実無根であることを述べた上で、これは絶滅寸前の恐竜のような大手メディアが本格的に衰退局面に入ったことのサインであると言及している。大手メディアの崩壊はもはやカウントダウンに入ったということだ。

ワシントン・ポスト紙「ヒラリーは虚偽ニュースサイトによって敗北。背後にはロシア」「ソ連時代の諜報活動がそのままネットに移行してる」の画像2Disclose.tv」の記事より

 そして、この機会に格好の話題として取り上げているのが、かつてワシントン・ポスト紙上で起きた記事捏造事件である「ジミーの世界」事件だ。

 1980年にワシントン・ポストに掲載されたヘロイン常習患者の家族の実態を描いたルポルタージュ「ジミーの世界」は大きな反響を呼び、翌年にピューリッツァー賞を受賞した。しかしその後、AP通信の調査などがきっかけになって、実際に“ジミー”とその家族は存在せず、この記事が完全なフィクションであったことが明らかになったのだ。そしてピューリッツァー賞を返上することになった。

 Disclose.tvは同紙がこのとき返上したピューリッツァー賞を、今回の記事で取り戻そうとしているのではないかと揶揄している。そして、フェイクニュースサイトの“陰謀”にすることで、実際にこれまでヒラリーが犯してきた数々の犯罪的な行為をうやむやにしてしまう意図も透けて見えることを指摘している。

 今回の記事が、「社会の公器」である大手メディアには禁じ手の“陰謀論”を扱ったことになるとすれば大きなリスクとなるだろう。Disclose.tvはそのうちワシントン・ポストの紙面に「宇宙人」の言葉が出てくるのではないかと心配(!?)しているほどだ。いずれにしてもロシア暗躍説については予断は禁物で、しばらくは事の推移を見守ったほうがよさそうだ。
(文=仲田しんじ)


参考:「Washington Post」、「Disclose.tv」、ほか

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
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