14世紀に実在した「吸血鬼」の遺体が発見される! 膝が破壊され、背骨に杭…考古学者も困惑!=ポーランド
世界各地に残る「ヴァンパイア伝説」。ギリシア神話に登場する怪物ラミアーから「串刺し公」の呼び名で知られるワラキア公ヴラド・ツェペシュまで多くの伝承があるが、実際のところ、血を啜る怪物としての吸血鬼は存在したのだろうか? そんな長年の疑問についに終止符が打たれる時が来たかもしれない。なんと、吸血鬼の遺骨がポーランドで発掘されたというのだ!
ポーランドメディア「Nauka w Polsce」(11月25日)が、ポーランド西部の村グジツァの墓地で3体の奇妙な遺骨が発掘されたと報じている。13~14世紀に埋葬された遺骨と見られ、不自然な切断や変形など、伝えられている「吸血鬼」の埋葬方法との著しい類似が認められたというのだ。
発掘チームを率いる考古学者クシシュトフ・ソハ氏によると、2つの遺骨は間違いなく吸血鬼を葬るやり方で埋葬されているという。それというのも、写真からもその異様さが分かる通り、骨がばらばらに置かれ、右脚と左脚を逆側に配置するなど意図的に配置された痕跡があるからだ。
そのうちの1体、老婆と思われる遺骨はうつ伏せに置かれ、地中で蘇っても簡単には地上にあがれないようにされていたという。その上、膝も破壊されており、万が一地上に這い出ても歩行が困難になるように周到に工夫されていたそうだ。さらに、老婆を含んだ2体の遺骨は頭が切り落とされ、1体は頭が岩の間にはさまれていたという。
また、背骨や背骨下部の仙骨に細い杭を突き刺したと思わしき穴も見つかっている。吸血鬼退治といえば、心臓に杭を打ちつける光景を思い浮かべるが、実際は吸血鬼の体ごと地面に打ち付けて固定していたのだろう。それほど当時の人々が恐れていたということは、この3体は相当凶悪な吸血鬼だったのかもしれない。
しかし、発掘者のソハ氏によると、3体の遺骨のうち2体は吸血鬼ではなく、たんに当時ポーランドで流行したコレラなどの伝染病にかかっていた可能性が高いという。また、後弯症によって極度に背中が丸まっており、それを見た村人たちが吸血鬼として恐れたのではないかとのこと。あるいは、ヴァンパイア顔になるといわれている「ポリフィリン症」を発症していたのかもしれない。
問題は30代男性のものと思われる3体目の遺骨だ。この遺骨には感染症の痕跡や骨の変形など身体的な異常が無いにもかかわらず、背骨には杭が打たれ、頭が岩の間に挟まった不可解な状態で埋葬されていた。なぜ、この男性が吸血鬼のような扱いを受けてしまったのか、その理由はソハ氏にも分からないという。
ポーランドではこれまでにも、吸血鬼らしき遺体が見つかっている。たとえば、今年7月にも両足に杭を打たれ、口に石を詰め込まれた遺骨が、16世紀の墓地から発掘されている。また、トカナでもお伝えしたが、2014年にはブルガリアでも、吸血鬼らしき13世紀ごろの遺骨が100体以上見つかっている。
今回発掘された遺骨も含め、本物の吸血鬼であったかどうかは不明だが、中世ヨーロッパには人々を恐れさせる何かが存在したことは確かだろう。今後のさらなる調査に期待したい。
(編集部)
参考:「Nauka w Polsce」、「Metro」、ほか
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2024.10.02 20:00心霊14世紀に実在した「吸血鬼」の遺体が発見される! 膝が破壊され、背骨に杭…考古学者も困惑!=ポーランドのページです。吸血鬼、ヴァンパイア、ポーランド、遺体、埋葬などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで