全身が石像になる不治の病「FOP」 ― 平均寿命41歳。それでもホイットニーは普通の人以上に努力し続ける
進行性骨化性線維異形成症(Fibrodysplasia Ossificans Progressiva、FOP)という病を耳にした方は少ないと思う。発症率は200万人に1人という、極めて稀な遺伝子疾患で、筋肉や腱、靭帯が骨組織に変わり硬化してしまう病気だ。その様子から「石像病(Stone Man Syndrome)」とも呼ばれる。最終的には、自力での歩行や食事、呼吸ができなくなってしまい、患者の平均寿命も41歳と、現在の医学では治療が不可能とされている難病だ。
■病気の始まり
ニュージャージー州に住むホイットニー・ウェルドンさんは現在24歳だ。彼女は9歳の時、進行性骨化性線維異形成症に罹っていることがわかった。子ども時代のホイットニーさんはスポーツと水泳が大好きな非常に活発な女の子であった。この病気の初期症状には、「足の親指が著しく太く短い」という特徴があり、彼女の足もまさしくそうであったのだが、他には何の症状もなかった。
9歳の時にホイットニーさんと家族はスキー旅行に出掛けた。ホイットニーさんはスキーの途中に首を痛め病院に行き、そこで医師から進行性骨化性線維異形成症に罹っていることを告げられた。その時に、この病気の進行速度は患者によって違うこと、そして現時点で治療法がないことも同時に告知されたという。ホイットニーさんは言う。「でも私は早い時点で診断されてラッキーだったわ。とても珍しい病気だから、誤診される患者も多いの」。
この病気はわずかな衝撃や刺激によっても症状の進行が早まってしまう。そのため、両親は彼女に一切のスポーツを禁止した。ホイットニーさんは、もしスポーツ中に転んだりすれば、病状がより悪化することも理解していた。彼女は「でも部屋に一人で一日中居たとしても、転ぶことはあるのよね」と話す。彼女は13歳で自分の病気と、それが自分の将来にどう影響するかを完全に理解したということだ。
19歳になるまでにホイットニーさんの状態はかなり悪化し、首を動かせなくなっていた。ホイットニーさんは車椅子を渡されたが、「車椅子が大嫌い」でできるだけ使わないようにしていた。
身体の動きが徐々に制限されつつあるつらい状況にもかかわらず、ホイットニーさんは2011年にワシントンの名門校ジョージタウン大学に入学を果たした。そして大学に行くために、彼女は家を離れて一人暮らしをはじめた。すでに着替えやシャワー、料理等の日常生活に助けがいる状態であったので、一人暮らしは困難を極めたと話す。そこで彼女はフルタイムのヘルパーを雇い、なんとか一人暮らしを実現した。
前向きな彼女は言う。「身体がこういう状態だけれど、私は他の学生がしていることは全部やったのよ。21歳の誕生日には家で大きなパーティーも開いたの」。しかし、そのパーティーで彼女は車椅子を使わなかったので転倒し、その後手術が必要になってしまったとも打ち明ける。
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