人間の意識は宇宙法則とリンクしていたことが判明「意識はエントロピーの副産物でしかない」
やはり脳はミニチュア宇宙だった。なんと、宇宙の絶対的法則である「エントロピー増大の法則」が意識の発生にも深く関係していることが科学的に証明されたというのだ!
■意識は脳の副作用にすぎなかった
科学ジャーナル「Physical Review E」(2016年6月3日)に掲載された論文によると、カナダ・トロント大学とパリ第5大学の共同研究で、「意識は脳のエントロピー増大に伴う副作用でしかない」ことが判明したという。人間の本質ともいうべき意識が偶然の産物でしかないという驚きの研究結果だ。
本題に入る前にエントロピーについて簡単に説明しておこう。エントロピーとはざっくりいって、「無秩序(乱雑さ)の度合い」のことをいう。たとえば、卵を黄身と白身に整然と分けた状態はエントロピーが小さいが、両方をボールに入れかき混ぜるとエントロピーが増大する。また、エントロピーは常に「小さい(秩序)→大きい(無秩序)」という方向に進むため、かき混ぜられた卵をそっくりもとの完璧な黄身と白身の状態に戻すことはできない。物理学者たちは、このエントロピーの増大が、ビッグバン以降の宇宙でも起こっていると考えている。
では、エントロピー増大の法則を脳に当てはめるとどうだろうか? 脳のニューロン活動を簡単に図式化した次のモデルをご覧頂きたい。4つあるオレンジの頂点を線で繋いだ時、最も多くのパターンを作れるのは何本の線を用いた場合だろうか?
3本の線を用いた場合(20パターン)が最大で、最も少ないのが0本と6本を用いた場合(1パターン)である。このことから、3本の線を用いた場合に最もエントロピー(複雑性)が大きく、0本と6本の場合に最もエントロピーが小さいということができる。つまり、通常の覚醒状態の時にエントロピーが大きくなることがわかったのだ。
今回の研究は、このモデルを実際の人間の脳に適応できるか確かめたものだ。調査チームは、7人のてんかん患者を含む9人の被験者のニューロン活動を観察。すると、睡眠時はニューロン接続のパターンが少なく(先ほどの例でいうところの0本)、てんかん発作時もニューロン接続の過剰でパターンが少なく(6本)、起床時にニューロン接続のパターンが最大化したという(3本)。
「今回の実験で、意識の発生にはニューロンのエントロピーの増大が必要であることが判明した」(研究論文から引用)
すると、脳に意識を発生させる装置のようなものは存在せず、エントロピーの増大という宇宙法則に伴い、たまたま発生するに過ぎないということになる。解明どころか、むしろ意識の謎がより深まったような気もするが……。
とはいえ、物理学的法則が意識現象にも適用できることが分かったのは大きな発見だろう。以前から脳細胞と宇宙の姿が似ていると指摘されてきたように、もしかしたら本当に脳は小型宇宙なのかもしれない。また、トカナでは意識が宇宙からもたらされた可能性を記事にしたが、今回の実験結果はその仮説を補強するものとなり得るかもしれない。
(編集部)
参考:「Inside Science」、「Express」、ほか
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