



今回のTARO賞の特徴として、動物をモチーフとした作品が多いことが挙げられる。特別賞は3人が受賞。井上裕起は、絶滅危惧種の特別天然記念物大山椒魚(オオサンショウウオ)をモチーフとし、1965年にF1世界選手権で日本車として初優勝を飾ったマシンと融合させている。 黒木重雄は 震災を契機に大作絵画に挑むが、作画中に友人が病死して、生命の循環をテーマにしたものにシフト、カラスが円を描くように群れているスケール感のある大作を仕上げている。あべゆかは女性という立場から「最後の晩餐」というテーマに挑み、キリストを含めた13人を女性として描写することで再構成、絵画作品の前に大きなテーブルを配して、巨大なインスタレーション作品とした。