サハラ砂漠は“人災砂漠”だった! 科学メディアの発表に大反響、定説覆る可能性
世界最大規模の砂漠「サハラ砂漠」。あまり知られていないことだが、実はサハラ砂漠は8000年前まで森林が生い茂る豊かな土地だったと言われ、砂漠の地下には巨大な川の痕跡も見つかっている。それがどうして、北米とほぼ同じ面積を持つ巨大不毛地帯に様変わりしてしまったのだろうか?
■サハラ砂漠化は人間の責任、8千年前まで緑豊かな土地
従来の理論では、緑豊かなサハラが急速に砂漠化した原因は“地軸のズレ”による気候変化とされてきたが、ここにきて考古学の常識を大きく覆す新説が飛び出してきた! 科学ニュースメディア「Science Daily」(3月14日付)が報じている。
韓国・ソウル大学校の考古学者デイヴィッド・ライト教授によると、サハラの砂漠化は人間が引き起こした“人災”だというのだ。
「東アジアでは、新石器時代の人々が環境を変えてしまい、モンスーンが内陸で発生しなくなった、という長く確立された理論があります」
8000年前、人類がナイル川付近に進出し、サハラ地域を西進しながら、畑作や牧畜をひろく始めたことが砂漠化の大きな原因であるという。というのも、畑作によって土が太陽光にさらされるようになり、牧草をエサとする家畜によってさらに土が露出したことで、アルベド(太陽の光を地球が反射する割合)が増加、降雨量が減少していったからだ。雨が少なくなれば植物も育たず、土地は砂漠化する。
今後、ライト教授は自説を裏付ける考古学的証拠を収集するため、かつて湖だった場所に残された当時の植生変化を調べる予定とのことだ。
人災説はまだ仮説の域を出ないが、同説を支持する研究者はライト教授だけではない。米アリゾナ大学の古気候学者でサハラ砂漠専門家のジェシカ・ティアニー教授も、かつてサハラ砂漠は現在の10倍は湿潤な土地だったが、人間の定着により砂漠化したと考えているという。一説によれば、モアイ像で有名な「イースター島」も人口爆発と森林破壊の結果、砂漠化が進んだことで食糧不足に陥ったといわれている。
1930年代アメリカでは、大規模耕作による急速な砂漠化により巨大砂嵐「ダストボウル」が発生した。映画『インターステラ』では、そのダストボウルが全世界的に広がり、作物が育たず地球脱出を試みるという設定も記憶に新しい。世界中で6万平方kmに渡る広大な土地が毎年砂漠化している現在、砂漠化による人類滅亡も十分想像できるのだ。
ライト教授らの研究は考古学的価値のみならず、今に生きる我々への警鐘の意味合いも併せ持つ。“人災説”が決定的になった時、我々はその結果を真摯に受け止めなければならない。
(編集部)
参考:「Science Daily」、「Daily Mail」、ほか
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