カニの大群がタコを集団リンチ、引き裂きの刑に! 理学博士「非常に珍しい残虐光景」
――科学分野だけではなく、オカルト・不思議分野にも造詣が深い理学博士X氏が、世の中の仰天最新生物ニュースに答えるシリーズ
カニの群れがタコを引き裂く動画が今、ネット上で話題になっている。1匹のタコに複数のカニたちが襲いかかる凄惨な光景を収めた動画が今月1日にYouTubeにアップされると、瞬く間に100万を上回る再生回数を叩き出したのだ。
動画は2月25日、オーストラリア南東部の都市メルボルンを擁するポートフィリップ湾で撮影された。動画には何匹もの大きなクモガニが1匹のタコを取り囲み、猛烈なスピードで、奪い合うようにしてハサミで切り刻んでいる衝撃的な光景が収められている。タコはもう死んでいるのだろうか、為す術もなくカニたちに引きちぎられ、やがて群がってきたカニたちの間に姿を消してしまう。
■カニ「一対一では勝てない、ならば集団で襲う」
「カニはタコの好物なので、タコがカニを襲っている動画はよくあるんですが、逆は珍しいと思います」
そう解説してくれたのは、生物学に詳しい理学博士X氏だ。タコはカニの天敵であり、過去には岩場を歩いているカニをタコが水中に引きずり込むという恐るべき映像も撮影されている。
「動画が撮影されたポートフィリップ湾は、年に一度、カニの大群が現れる事で知られています。動画にも映っているクモガニが、脱皮と繁殖のために集まるのです」
クモガニは甲羅の幅が20cm、脚の長さは40cmほどの大きさで、脚を広げると実に1mにもなる巨大ガニだ。毎年5~6月ごろになると、ポートフィリップ湾の浅瀬には数万匹ものクモガニが大集合し、満月の夜に一斉に脱皮するのだという。脱皮した直後には交尾も行われるため、繁殖のチャンスでもある。何万匹もの大量のクモガニたちが積み重なって海底を埋めつくす光景は、まさに圧巻の一言だ。
「脱皮した直後のカニは柔らかいので、捕食者の格好の標的となります。クモガニたちは数万もの大集団で脱皮する事で、捕食されるリスクの軽減を図っていると考えられています」
一対一で勝てない天敵にも、集団であれば勝機がある――。今回の動画は、まさにその一例を示しており、小さいカニを狙ったタコが返り討ちにあったのだろう。まさに多勢に無勢である。
なお、カニは雑食性なので、おそらくこのタコもカニたちの餌食になっただろうとX氏は推測する。
「カニは何でも食べるので、海底のスカベンジャー(掃除屋)とも言われています。大きな生物の死骸にまず食らいつくのがカニやエビです。彼らのハサミや爪は、硬い皮も難なく破壊できます。カニたちに食い荒らされた死骸は小魚などにも食べやすくなり、微生物による分解も受けやすくなります」
カニやエビがいるかどうかで、白骨化までの時間まで変わるという。知らなければよかった海の幸の恐るべき秘密である。ちなみに、メルボルンに大量発生するクモガニは脚が細くて肉が少なく、食用には適していないそうだ。
もしも海で死んだら、あなたの身には何が起きるのか? もしも地球にやって来たエイリアンがこの光景を目の当たりにしたら、地球生物の恐ろしさに戦慄するのではないか? とかく見る人の想像力を掻き立てる映像であることだけは間違いないだろう。
(吉井いつき)
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