アサド政権の化学兵器使用はアメリカによる“自作自演”だった!? 前例多数、トランプ周辺に不穏な動き

アサド政権の化学兵器使用はアメリカによる自作自演だった!? 前例多数、トランプ周辺に不穏な動きの画像1画像は「abc NEWS」より引用

 米軍は4月7日、内戦の続くシリア・ホムス県のシャイラト空軍基地に60発のトマホーク巡航ミサイルを発射、うち59発が目標に着弾したと発表した。今回の攻撃は、シリア北西部で4日、同国のアサド政権が条約で禁じられているはずの化学兵器を使用したとされる疑惑への対抗措置だ。

 日本では、安倍首相が米政府への支持を表明し、各大手メディアでも米国寄りの主張が目立っている。しかし今、世界各国の陰謀論者の間では「4日のアサド政権による化学兵器使用疑惑は、米国もしくはシリア国内で活動する(米国寄りの)反体制派による自作自演ではないか?」という指摘が巻き起こっている。その理由を詳しく見てみよう。


■すべてはアサド政権を攻撃するためにアメリカが仕組んだこと?

 自作自演説の火付け役は、ロシア国営通信「スプートニク」が5日に報じたシリアの国会議員ハリド・アブド氏のコメントだった。なんと彼は、声を大にして次のように主張しているのだ。

「先日の化学兵器による攻撃は、アサド政権を非難する目的で実行されたのです。これは、西側諸国がアサド政権に圧力をかける際の手段なのです」

 つまり、西側諸国が自ら化学兵器を使用しておきながら、アサド政権の仕業であることにして、シリアを攻撃する口実を作っているというのだ。そして、このコメントに歩調を合わせるかのように、ロシア外務省も次のように発表している。

「今回の米軍によるミサイル攻撃は、4日に起きた化学兵器によると思しき空爆よりも前から計画されていたことは明らかだ」

アサド政権の化学兵器使用はアメリカによる自作自演だった!? 前例多数、トランプ周辺に不穏な動きの画像2画像は「The Daily Mail」より引用

■アメリカはこれまでも同じことをしてきた

 確かに、かつて米国はイラク戦争(2003年3月~2011年12月)において、事実ではないイラクの大量破壊兵器保有を開戦理由に挙げるなど、“でっち上げ”については数々の前例がある。そう考えれば、今回も自作自演だった可能性を頭ごなしに否定することはできないかもしれない。

 そもそも、アサド政権は2013年に化学兵器の全面破棄に合意しており、「化学兵器は所有していない」「自らの国民に対して化学物質など使用するはずがない」と国際社会に向けて発信し続けている。内戦が続き、欧米各国との関係は最悪ともいえるこのタイミングで、わざわざ国際的信用を落とすような行為に打って出るとは考えにくいのではないだろうか。

 そして実は、過去に次のような“怪しい一件”もあった。英紙「デイリー・メール」が2013年1月、「米国はシリアで化学攻撃を行い、責任をアサド政権に被せるプランを支持している」と報じたが、なぜか記事はその後、すぐさま取り下げられてしまったのだ。

 問題の記事において、記者であるルイズ・ボイル氏は「米国はシリアにおける有志連合の軍事行動強化のため、化学兵器を口実に使うだろう」と予期していた。しかも彼は、「証拠としてホワイトハウス高官のメールのやり取りを入手し、カタールが資金援助するという提案がある」と主張していたのだ。

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