ついに登場した“本物の人工子宮”の映像がヤバすぎる! 理学博士「ブタや脳死女性の子宮を利用した代理出産も」
■“完全なる人工子宮”実現への道は険しい
さて、今回発表された人工子宮によって未熟児たちが無事に育つようになることは大変喜ばしい。だが、やはり実現が望まれるのは受精卵から育てることができる人工子宮であろう。しかし、広く研究されているのは、今回のBiobagも含めて未熟児用の人工子宮であり、あくまで緊急時における母体の代わりとしての位置づけでしかない。折に触れて実用化の噂は届くものの、我々の望むような“完全な人工子宮”の実用化は遅々として進んでいないのが実情だ。一体、いつになれば女性の代わりに命を育んでくれるような人工子宮が登場するのか。生物学に詳しい理学博士X氏に尋ねてみた。
「機械制御によって受精卵から培養できるような人工子宮の登場には、まだ相当な時間がかかると思います。時折、そういう実験が成功したという噂が流れることはあります。でも、言い方は悪いですけど、未熟児を4週間保護できるだけのBiobagがこれだけ大きな話題になるということ、それ自体が現状を示しています」
X氏は実にあっさりと完全な人工子宮実用化の噂を斬って捨てた。
「現状、子宮の移植やiPS細胞などを使った再生医療ですら試験的に行なわれているような段階です。生殖にまつわる臓器や機能には、まだまだ謎が多いんです。受精卵を体外で個体レベルまで育てるような技術は、いまだに実験用マウスですら難しい。大きな需要があるにもかかわらず、です」
■ブタや脳死女性による代理出産も!?
どうやらX氏は、完全なる人工子宮の完成をまだまだ遠いと見ているようだ。女性が妊娠・出産から解き放たれるためには、まだまだ時間が必要なのか? だがX氏によると、そのやり方は人工子宮以外にもあるという。
「例えば、ヒトの遺伝子を組み込んだブタなどによる代理出産が考えられます。人工子宮よりは、こちらの方が実現が近いと思います。また、“生む性”として女性を利用しているという批判はありますが、脳死した女性を代理母に使うというアイデアも古くからあります」
どちらも正直あまり想像したくない手段であり、生殖に女性が必要であることにも変わりがない。妊娠・出産は女性にのみ与えられた神秘の能力であるが、それが実のところ心身に大きな負担をかける命がけの行為であるのもまた事実である。人類の夢、人工子宮。我々がそれを目にする日は、一体いつになるのだろうか。X氏の予想を裏切るような、一刻も早い実現を期待したい。
(吉井いつき)
参考:「The Guardian」、「THE VERGE」、「nature」、ほか
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2024.10.02 20:00心霊ついに登場した“本物の人工子宮”の映像がヤバすぎる! 理学博士「ブタや脳死女性の子宮を利用した代理出産も」のページです。妊娠、胎児、ヒツジ、人工子宮、ブタ、脳死、吉井いつき、理学博士、代理母出産などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで