苦悶の表情で焼かれた“猿肉”を食べる! 絶滅危惧種が並ぶミハナサ族のフードマーケットとは?=インドネシア

苦悶の表情で焼かれた猿肉を食べる! 絶滅危惧種が並ぶミハナサ族のフードマーケットとは?=インドネシアの画像4ネズミとコウモリ 「Daily Mail」の記事より

■絶滅危機に瀕する猿

 研究者によればスラウェシ島の猿の個体数は、この40年間で80%以上減少しており、現在IUCN(国際自然保護連合)の絶滅危惧種のリストに入っている。

「猿は他の地域でも生息地が縮小しており、絶滅の危機にさらされています。中でもクロザルは間もなく絶滅すると考えられているのです」とインドネシア語で「クロザルを守る」を意味する霊長類の保護団体「セルマカン・ヤキ」のユニタさんはAFP通信のインタビューに答えている。

 スラウェシ島に拠点を置くタシコキ野生動物救助センターのサイモン・パーサー氏は、「人間が食糧のために動物を狩ることは、すでに個体減少に瀕している動物に最後の一撃を与える行動だ」と憤りを隠さない。

苦悶の表情で焼かれた猿肉を食べる! 絶滅危惧種が並ぶミハナサ族のフードマーケットとは?=インドネシアの画像5身を割かれて売られるパイソン 「Daily Mail」の記事より

 スラウェシ島には鶏や豚も育てられているが、猿はとりわけ地元民に人気があるらしい。また一部の旅行代理店は、外国人旅行者に猿肉を食べるオプショナルツアーを密かに提供しているという。そのため猿肉への需要は依然として高く、狩猟者は摘発を逃れるために、猿狩りにより遠くへと出向くようになっている。

 島では珍味と評される猿肉だが、さまざまな病気の感染経路となるケースも多く、衛生面からも自然保護の立場からも、「良い食物」とはいえないのではないだろうか。美しい島の熱帯雨林に生きる猿たちが、絶滅の危機から生き延びることを願いたい。

参考:「Daily Mail」、ほか

文=三橋ココ

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