1000年前に死んだ仏教僧の完全なるゴールデンミイラ仏! 医師驚愕「骨も脳も完璧に保存されている」
断食死により自らをミイラ化する即身仏。山形県・真言宗豊山派の寺院「大日坊」に奉られている真如海上人などはまさにミイラ化した姿そのままに保存されている即身仏であるが、お隣中国では金色に輝く「ゴールデンミイラ仏」が流行している。
■医師も驚愕する完璧な「ゴールデンミイラ仏」
今月8日にCTスキャンにかけられた1000年前のミイラ仏も全身を金箔で装飾されており、一見したところ作り物のようにしか見えないが、骨から脳まで完全に保存されていることが明らかになり関係者に衝撃が走っているというのだ。
英紙「Daily Mail」(7月14日付)が、ミイラ仏のCTスキャンを担当した医師Wu Yongqing氏の興奮気味のコメントを伝えている。
「普通の人と同じぐらい健康な骨のように見えます。それに上顎、歯、肋骨、脊椎、全ての関節が完全な状態で残っています。これは驚くべきことです」(Yongqing氏)
このゴールデンミイラ仏は、かつて契丹(きったん916~1125年頃)で国師として活躍した大仏教僧・慈賢法師(マイトリバドラ)のものとされ、伝承によると、古代インドのマガダ国の出身とのことだが、仏の教えを広めるため、現在の中国に渡ったという。
文献には、経蔵・論蔵・律蔵と呼ばれる3つからなる仏教の教え全てを暗記した三蔵法師と記されており、契丹ではサンスクリット語原典を漢語に翻訳する訳経僧として活躍していたようだ。現在も慈賢法師が訳したと見られる10点の漢語仏典が現存しているという。
寺の住職によると、高僧ともなれば自分の死期を悟ることも容易であるため、死が近づくと弟子らに遺体の処理や保存を依頼するものだという。弟子らは慈賢法師が亡くなると、その遺体を天然の防腐剤が入った陶器の壷に3年漬けた後、米糊を全身に塗布したという。この時、僧侶の霊性が高ければ遺体は腐らず、完璧に保存されるそうだ。
これほど丁寧に扱われた即身仏であるが、実は長い間紛失していたそうだ。それが、1970年に洞窟の中で発見され、2011年より現在まで中国河北省武安市の定慧寺に即身仏として保存・公開されている。中国らしく金色に装飾され「ゴールデンミイラ化」したのは昨年のことだという。
今後、慈賢法師のゴールデンミイラは今年いっぱい同寺院で公開され、その後は建設中の新寺院に移動する予定とのことだ。近くを訪れた際は、一度足を運んでみては如何だろうか?
参考:「Daily Mail」、ほか
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