飲む“若返り分子”【NMN】登場へ! ハーバード大学「老化を止めるのではなく、逆転させる、超エキサイティング」
「不老不死」という言葉がある。文字通り「老いることもなく、死ぬこともない」という、非現実的な「夢」の言葉――のはずだったが、それが着々と実現に向かっていることはトカナ読者であればご存知の通り。そう、人体を“若返らせる”作用が期待されている夢の物質、「NMN」の研究に進展が見られたようなので、詳細をお伝えしよう。
■マウスの体の各器官がガチで若返った!
科学誌「Science」に掲載された論文によると、ハーバード大学医学部のシンクレア教授は、生物を若返らせる有効分子ことNMNをマウスに投与する実験を行ったが、「マウスは1週間もしないうちに体の各器官が若返り、エネルギー量も増加し、より速く走れるようになった」という。この結果は、過去にトカナが報じた数々の実験結果とほぼ同じ。やはり、NMNには確実に生物を若返らせる効果があるのだ。
体は、細胞、筋肉、酵素などから構成されている。ところが、さまざまな原因から細胞のDNAにエラーが生じ、DNAの損傷を引き起こしてしまう。損傷を上回る修復を即座にできているうちは「若い」。しかし、DNAが損傷されたままの状態で放置され、体中に浸潤していくと、各器官が以前とは同じ状態ではいられなくなる。そして、この修復ができない状態を積み重ねた結果を「老化」と呼ぶ。つまり、「損傷したDNAの修復を促進させることができれば、結果として若返る」ことになるわけだ。
DNAの修復に関わり、寿命を延ばす働きがあると報告されているタンパク質は「SIRT1」と呼ばれ、NADという物質によってその活動が活発化する。今回の実験では、NMNの摂取によってマウス体内のNAD量が増加するプロセスが実際に確認された。若返りのメカニズムが見えたことが画期的なのだ。おまけに、NMNは飲み水に加える形でマウスに投与されたという。ということは、人間も単純にNMNを“飲む”という実にお手軽な方法で若返ることができるかもしれないではないか。博士は自らの研究成果について「実にエキサイティング!」と興奮を抑えきれないご様子だ。
■「夢の薬」は誰もが入手できるのか?
確かに、これがマウスではなく人体に適用できるのならば喜ぶ人も多いだろうし、今までの世界の常識をひっくり返す事態になるだろう。寿命の概念をガラリと変え、多くの人々に希望を与える結果を実証してみせたのだから、彼の研究は大変意義深いといえる。
ただ、同時に、釈然としない気持ちがどうしても湧き上がってしまう。例えば、この分子を飲むタイミングが、アルツハイマー発症後だとしたら? 体の細胞は若返り、期待通り長生きできるものの、認知症という「症状」そのものは改善されないのなら、記憶障害に悩まされる毎日を延々と生き続けることにならないだろうか? それは生活の質(QOL)という観点から、手放しで喜べることなのだろうか。
また、費用面も懸念材料といえる。このような「夢の薬」は簡単に市場に出回るはずもなく、万が一市場に出るとしても、このような代物を手に入れられるのは富裕層だけだろう。金で露骨に命の選別をする世界は、夢のある素晴らしい世界といえるのだろうか? 人々の夢を追求して生み出された「夢の薬」によって、差別を味わう夢のない世界が出来上がるのであれば、なんとも皮肉すぎる。
「結局、永遠ではない人生を生きることが、人々にとって幸せなのでは?」そんな声も聞こえてきそうだ。
参考:「Disclose.tv」、ほか
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2024.10.02 20:00心霊飲む“若返り分子”【NMN】登場へ! ハーバード大学「老化を止めるのではなく、逆転させる、超エキサイティング」のページです。不老不死、アンチエイジング、DNA、アルツハイマー、若返り、薬、NMN、鮎沢明などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで