火蟻毒の90%はコショウに含まれる辛み成分「ピペリジン化合物」だった! 刺されると●●したような激痛が!?

火蟻毒の90%はコショウに含まれる辛み成分「ピペリジン化合物」だった! 刺されると●●したような激痛が!?の画像2ヒアリが作ったいかだ「Wikipedia」より引用

「ヒアリが日本に来るから殺虫剤を買わないと!!」と、アリを見つけ次第殺しまくるのは、火を恐れるサルと同じわけで、ちゃんとした知識と冷静な対応が必要なわけです(有象無象のワイドショー番組を見ていなければ、そんな馬鹿騒ぎに乗せられることもないわけです)。

 熱帯という環境は冬が無いため生物相がリセットされることがないので、逆に言えば生存競争が極めて過酷な世界です。故にアリも日本ののんびりとしたアリの暮らしではとても無理で、常に巣を壊す敵と戦い続けるために、凶暴化、毒も強化したものが生き残ったといえます。

 実際に筆者も、熱帯での調査でツムギアリやハリアリの巣を刺激してしまったことがあり、ツムギアリはたいして攻撃力もないので舐めていたら、タワシ大のアリの塊が降ってきて全身にたかられて本当に恐ろしい目にあった覚えがあります。

火蟻毒の90%はコショウに含まれる辛み成分「ピペリジン化合物」だった! 刺されると●●したような激痛が!?の画像3Dinoponera gigantea「Youtube」より引用

 ちなみにハリアリ最強のアリとしては、ディノポネラ属のDinoponera gigantea(ディノポネラ ギガンティア)という1匹のサイズが2.5cmの大型のハチと同じくらいのボリュームで、しかも毒針まであるという極悪な種がいます。幸いなことに、人工繁殖が難しい程度には日本に根付くことはまずありえません。

 ちなみに日本のスズメバチは世界的にハチとしては最強クラスの危険度で、アメリカでキラービー(アフリカミツバチとセイヨウミツバチのハイブリッドで極めて攻撃的)の駆除に使えるのではないかと、誰かが言い出したものの、キラービーよりキラーなハチを輸入してどないするねん……という最大の問題に気付き、日本のスズメバチの生物農薬としての輸出はナシになったなんて話もあります。

 逆に言えば、日本にもそれなりに危険な生き物はいて、きちんと知識をもって対策をするということが行われているわけですから、いかにちゃんとした知識を持って、冷静に対応するべきかが大事であるかということです。

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