この宇宙には超微小サイズの“余剰次元”が隠れている!? 2018年末、「量子重力」観測で異次元の存在が証明される可能性?
■余剰次元の発見は近い?
ドイツ・ポツダムにある研究機関、マックスプランク重力物理学研究所の研究者は、重力波の観測が宇宙に潜む余剰次元の発見につながる可能性を指摘している。スタボ・ルセナ・ゴメス博士は、プレスリリースの中で次のように述べている。
「CERNの物理学者たちは、大型ハドロン衝突型加速器(Large Hadron Collider)で余剰次元を探していますが、今のところ良い結果は得られていません。しかし、重力波検出器は余剰次元の存在の実験的証拠を提供することができるかもしれません」
そして、ゴメス博士をはじめとする研究チームは、余剰次元の干渉によって重力波がきわめて微弱になっているのではないかと考えているということだ。
超ひも理論によれば、我々が暮らしている3次元+時間の4次元世界からさらに高次の次元が存在し、その数なんと11次元まであると仮定されている。そして、これらの余剰次元はきわめて微細なサイズで空間に“隠れて”いると考えられえているのだ。
もしもこの隠れた余剰次元が発見された暁には、標準的な物理学を修正しなければならなくなることも研究チームは示唆している。たとえば、現在研究が進められている量子重力理論(quantum gravity theory)が、一般相対性理論と量子力学の双方を統一する理論として有望視されているということだ。
この量子重力理論を構築するうえで鍵を握るのは、現在まだその存在が証明されていない量子重力の観測である。そして、研究チームは量子重力を観測するために、このLIGOに加えてイタリアのレーザー干渉計「Virgo」を同時に使って行なう実験を2018年終盤に開始する計画を立てている。はたして来年中にも“異次元”が存在する証拠につながる発見がもたらされるのか、大いに期待が膨らむ。
参考:「Futurism」、「EWAO」、ほか
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